ナインティナイン・ナイツ (XBOX360)

NINETY-NINE NIGHTS(N3)

NINETY-NINE NIGHTS(N3)

XBOX360で発売されたゲーム、ナインティナイン・ナイツ。雲霞の如く湧いて出る敵をバッサバッサと切ってゆくファンタジー物のアクションゲームです。現れる敵の数は半端じゃなくて、1ステージで1000人斬りなどあっという間です。


■複数の物語
ゲームには複数の主人公がおり、それぞれを選択してゲームを進めることにより、人間とゴブリンとの大戦争の様々な局面を多視的に描くということがウリになっているようです。その為かゲームを始めてすぐにはこの戦争が何のために、何故行われているのかが判らないんです。2人目、3人目とプレイしていくことによってこの大戦の全貌が次第に明らかになっていくのでしょう。
最初にプレイできるのはインフィという名の女性騎士キャラ一人のみですが、カワイコチャンキャラだと思っていたら敵の女子供ら非戦闘員も殺して辞さず、という、ダークサイドなキャラであることが判明、この辺の裏切りが物語を楽しいものに変えてくれそうです。また、このインフィのシナリオをクリアしていくとミッション中にNPCとして主要キャラが少しづつ顔を出し、ミッション終了後に確認するとプレイできるキャラが増えているのも楽しみの一つかも。


■戦闘とアイテム
戦闘は簡単なコマンド入力により様々な剣技や特殊能力を出すことが出来るようになっていきます。地を駆け空を飛び火花散る演出はなかなかよい。キャラには経験値とレベルアップの概念があり、これによってHPや使える技が増えていきます。敵を倒すと現れるオーブを吸収してゲージを溜めてゆくと大技のオーブアタックを発動することが出来ます。またこれで倒した敵からはさらにオーブスパークのゲージが溜まり、オーブスパークを発動できるようになります。これらの大技の発動タイミングを見計らうことが中ボスやボスキャラとの戦闘を楽にしてくれることになります。ただこの大技、ターゲットを絞りにくく、ボスキャラ中心に攻められないのがちょっと痛い。
それと、なにしろ芋を洗うような大乱戦の中で戦うので、兎に角力押しに攻め続けなければならず、前後左右から押し寄せる敵を避ける間もありません。その為いつの間にかダメージを受けたりしています。特に魔導師の電撃には要注意。
また武具やアクセサリーなどのアイテム入手による能力値の変化もありますが、入手したアイテムの整理画面は簡素過ぎていてちょっと漠然としているような感じ。呪いのアイテムとかってWIZっぽいけれどあまり面白みを感じないなあ。もう少しアイテム集めに楽しさがあってもよかったかも。


■援軍システム
戦闘では小剣、大剣、槍、弓矢の四つの種類の武器に特化した数十人からなる援軍をそれぞれ二軍引き連れ、これらは「付いてくる」「待つ」など四つの命令を出すことが出来ます。ただ基本的に盾や足止め、目くらましの役にしか立たず、これらの援軍が敵を倒すということは無いみたい。武器それぞれの特色が戦闘で生きているかどうかも不明。だから戦略的に使い分ける、というほどのものではないようです。


■フィールドと視点、セーブ
戦闘フィールドはとても広いのですが、マップが表示され敵の位置もわかるようになっています。視点変更も出来ますが、地面すれすれにすると後続の護衛隊の足ばかり写ってあまり役に立ちません。
広いフィールドを移動しての戦闘なのでそれなりに時間もかかりますが、ミッション中のセーブが出来ないため、途中でやられるとまた最初から、という羽目になり結構萎えます。こういう仕様って難易度調整が上手くいかなかった時に成されちゃうんだよねえ…。クリアしたマップでもまた遊べるので、ここでまた経験値を稼いで再チャレンジということも出来るでしょうが、せめてマップ途中に1つぐらいセーブポイントが欲しかったです。シナリオに関係ないレベルアップ専用のフィールドを作ってあれば便利だったかも。


■総論
ボタン連打しまくりで大量に現れる敵をバサバサ倒していると結構エキサイトしてくるゲームですね。フィールドもそれなりに変化をつけているので今のところ飽きません。戦闘が単調にならないようにミッション内容も工夫されていると思います。ただどうしても同じような乱戦状態が続くので、それぞれの”キャラ立ち”と物語の進行がゲームの楽しさを左右する鍵ではないでしょうか。あとボスキャラとザコの力の差がありすぎて、気を抜くとあっという間にやられるので注意。
それとそれなりに遊べるように出来ているとは思いますが、やはり大雑把な感じが否めません。ゲームの納期の問題があったのか、そつなく作られてはいるにしても強力に惹きつけるプラスアルファが欠けている様な気がします。このゲームがやりたい為にXBOX360本体を買うユーザーがどれほどいるのかなあ。悪くはないんだけど、いちユーザーとしてXBOX360を応援したい立場から、もう少し牽引力があったらなあ、とちょっと悔しい出来だったかも。