スキンヘッドの男

もう一人の後輩はK君という。彼も新人なのである。
実は先週社員旅行というのがあって、オレは出られなかったのだが彼は出席していた。
その彼が自分の部屋にいたとき、突然部屋のドアが開けられ、男が入ってきて彼の顔を見るなり「なんだ!誰だおめえ!」と一喝したと言う。
訊くと『スキンヘッドで金のネックレスを下げたガタイのいい男』だったとか。
…ううむ、どうやらオレの後輩の『う』である…。
『う』は別事務所の人間なので、新人のK君のことを知らず、彼のことを闖入者だと思ったのだろう。
K君が自分は最近入社したものです、と説明したら『う』は納得して帰って行ったというが、K君は「ちょっとビビりました…。」とのこと…。
このように『う』は『スキンヘッドで金のネックレスを下げたガタイのいい男』というルックスをしたナイスなガイなのである。
しかもいつもはこれに作務衣に雪駄
けだしますらおを感じさせる漢なのである。
そんな『う』であるが、実際は子煩悩な家庭人でもあり、鳥肌実と不肖・宮島と祭り神輿が好きな、オレの一番の友人である。
と一応釈明しておこう。(なんで釈明なんだ。)