『ノニ祭り』②〜第一回戦

戦いの火蓋は切られた。オレとノニとに睨み合いは既に始まって入る。サイズは小さいながら禍々しい雰囲気を漂わせているノニ。その凶悪さは耳にしているとはいえ、実際の戦力はオレにとってまだ未知数なのである。
正座してノニと向かい合うオレ。緊張が高まる。そしてうやうやしく礼。

ノニの封を切る。「…!!!」早くも異様な香りが空中に漂う!オレの体に緊張が走る。「な、なんだこれは!?」ノニの先制攻撃に怯むオレ。

臭い。こぼしたシチューを拭いた雑巾を、洗うのを忘れて流しの隅で一ヵ月位放置してしまったような臭い。100億匹位の雑菌が元気いっぱいに蠢いて得体の知れない物質を大量生産している時の臭いである。
嫌な汗がオレの額を伝う。駄目だ。負けてはいけない。ここは短期決戦だ!電光石火で瓶を掴んだオレは気合を入れて一気にノニを口に運ぶ!!


ゲロまず。


ワインに酢と醤油と三日間履いた靴下を十足位入れ、魔法使いのおばさんが森の奥深くでトローリトロリと煮込んだような味。写真では減ってないように見えるが、一口口に含んだだけでのた打ち回ってしまったのである。
かくしてオレとノニとの第一回戦目はオレの屈辱的な敗退で終わった!