ダウンタウンのガキの使いやあらへんで/山崎VSモリマン 男と女の真剣勝負

これまでは「罰ゲームシリーズ」として発売されてきたダウンタウンのDVDだが、今回の主役は山崎邦正。異色であるけれど、これがまた面白い。山崎邦正はピンだと本当につまらないのだが、この「VSモリマン」では、そのヘタレ具合が実にいい味を出しており、このDVDでもサディスティックな笑いを醸し出している。山崎にしてもモリマンにしてもダウンタウンのプロデュースがあるからここまで面白い素材として生かされているんだろうな。このタイトルマッチ企画以外でこの二組の笑いを観たいとは思わないもの。
ところでふと思ったが山崎はお坊ちゃま育ちなのではないか?ピアノ弾ける事から安易にそう思っただけだが、山崎の頭で考えただけの寒い笑いは観念だけの優等生気質がどこかにあるような気がする。その肉体性の伴わなさがお笑いとして致命的な寒さを生むこの男が、この企画ではウィークポイントのその肉体性で笑いをとってしまう所が皮肉で面白いのかもしれない。山崎にはお笑いの基本である自虐が足りない分、このような嗜虐の対象としてうってつけなのだろう。
それにしても本当によく逃走する男だ。そこが面白さでもあり食い足り無さでもあるな。いつか精神破壊の彼方まで徹底的に応戦し、ボロボロの廃人のように果てながら戦いを貫徹する山崎を観たいような気がする。それこそが山崎のお笑いブレイクスルーなのではないか。ま、全然期待してないけど。