七夕

昨日は七夕なのであった。いつものようにやさぐれていたオレは心の妹こと生意気小娘を呼び出し飲みに行くことにする。久しぶりに会う小娘に「七夕だろ、浴衣とか着てこい。」とか言うと「なんでFUMOさんに着たとこ見せなきゃいけないんですか?」と軽くあしらわれる。「そもそもFUMOさんと会うと天気が乱れますからねえ、七夕に失礼ですよ。」とまで言われる。そう、この日は昼間は晴れていたが、夕方土砂降りの雨であった。最初から形無しのオレである。

酒飲みながら近況などを話すが、例の如くどこまでも情けないオレの日々の行動に爆笑してもらう。「FUMOさん、ネタだらけの人生ですねえ。」と言われたので「違うよ、オレは人生そのものがネタなんだよ…。」と言って少し泣く。「いやあ、いつも楽しませてもらってますよ。」とまで言われる。終始珍獣として観察されているらしい。いいんです、笑いが取れれば…。(シクシク)
だいたい色っぽい関係ではないんである。ジャンルで言うと女友達になるのだろうが、歳も離れてるし「おかしな二人」と言ったほうがいいのかもしれない。たまに調子に乗って口説きに入ると、「キモー」と言ってゲラゲラ笑われる。「あーあ、彼氏欲しいなあ」とか言うので「オレオレ。どーよオレは。」などと返した日にゃあ、にっこり笑って「帰っていいですよー」とまたもやあしらわれる。さらに「ねえFUMOさん、FUMOさんと私が3年も仲良くやってこれたのはそういう関係じゃないからですよ」とまで言われる。諭されているのである。「そもそもFUMOさん、会社の女の子端っこから口説いていって、全部振られて最後が私ってどういうことですか。」バレバレである。この小娘の前にはオレの男としての立場など存在しないんである。
以前「オレってお前にはどんな存在なのよ」などと訊くと「お兄ちゃんとかお父さんかなあ」とか言っていた小娘だが、最近同じ質問をしたら「近所のおっさん」と云う返事。格下げされたらしい。バレンタイン・デーの時にチョコレートに縁がなかったオレが、「あり得ねー」とうざがる小娘から無理やりチョコを恐喝した事もあったが、まあそんな事ばかりしていると格下げされるのも頷ける。(納得していいのか?)
でも喋ってるのは楽しい。アート関係の趣味もあるので、この日はDavid Lachapelleの写真集をみせてあげたら喜んでくれた。友人の少ないオレには貴重な知り合いである。今度テクノイベントのWIRE05に一緒に行く事にしたのだがこの小娘、そもそもパンクのライブ行ってヘッドシェイクしているような女なので、「テクノ初めてだあ」と楽しみにしている。
最後に鳥肌実ダウンタウンのDVDを貸してあげて別れる。う〜ん、ある意味、オレらはお笑い繋がりなのかも知れない。