そんな毎日

実の所最近静か〜な音楽ばかり聴いていたんである。
なんか、いろいろ現実を噛み締めていたのである。淡々と現実を受け止めていたんである。
この歳になると、何かあったとしても一々はしゃいだり落ち込んだりなどしていられないのである。そして幸福と不幸は単にシーソーの両端でしかない事も知っているのである。どちらかにいるということは、どちらかでもあるという事。乗っている時は気付かないけれど下りてしまえばそれがなんだったのか眺める事が出来る。そして、さらに言ってしまえば、もうそんなシーソーにさえ乗りたくないのだ。
今日も今日であり、そして明日は明日であろう。嬉しい事はいつか過ぎ去り、悲しい事もいつか過ぎ去り、同じ形をしている事も、物も無い。
でもこの刹那の一瞬には、なぜか奇妙な切なさだけが存在する。それは、全てが過ぎ去っていくものだからだ。それは、無常、ということだからだ。オレは、目の前で起こる諸相のあれこれを、繋ぎ止められるとは思っていない。でも、だから、今この瞬間に、関わる人やことどもに、ただ感謝の言葉をかけたくなる。

「いつも、いつも、ありがとう。ね。」