同姓の因果律

オレの会社はどうも同姓の奴が多いんである。「佐藤」や「鈴木」や「田中」など、ありふれた苗字ならありえるのかも知れないが、それほどでもない苗字の人間が、多いときは4、5セット存在した。割と珍しい名前の人間が同姓同名で存在したこともあった。漢字は違うが読みの似た人間とか、ある人間の渾名と同じ名前の人間が入社してきたりした。紛らわしくてしょうがない。
これは確率的にどんなものなのだろうか?こうも頻繁に同姓の人間が複数存在すると言うのは、何か確率を超えた奇妙な因果律の偏りがあるのではないか?因果律の偏り。即ちそれは「呪い」である。事務所にいると妙なバイアスを感じる。空気が重い。このなんともいえない嫌な感じは、なにかに呪われている、在りうべからざる偶然性の偏向が存在する、そんなふうに取れないか。
…なーんてね。「呪い」なんて冗談であるが、よっく人の辞める会社であることは確かだねえ。