そう、あれは土曜日に有楽町スバル座でブレイド3を観に行った日のことであった。
隣に座っていたおっさんが(うぎゃ!オデもおっさんだったぁあぁ!)袋入りピーナツを食っているんです。食ってるのはいいんですが。そのおっさん、袋からピーナツを出して食う→食ったら袋入りピーナツをコンビニ袋に戻す→そしてそれを床に置いた鞄に戻す→おっさん、またピーナツを食いたくなる→床に置いた鞄からコンビニ袋を出す→そこから袋入りピーナツを取り出す→袋からピーナツを出して食う…という一連の動作を、30秒ぐらいのサイクルで延々と繰り返しているんです。30秒です、ええ、ええ、途中でウザク感じ始めたオレはこっそりおっさんの行動を監視しながら時計の秒針を確認したから間違いありません!あのなあおっさん、そんなに頻繁にピーナツ食いたかったら、コンビニ袋に戻して鞄に戻してなんてしねーで、最初っからずっとピーナツ袋手に持って食ってりゃあァいいじゃねーかよおォ!!その一連の無駄な動作はなんなんだよおォ!
そしてオレは考えました。おっさんは何故ピーナツ袋を手にずっと持たないのかを。それは宗教上の理由からでしょうか。人と神との契約において、ピーナツ袋を長く手に持つ事は神の名を汚す禁忌なのだろうか、とか。なんの宗教なのかは知りませんが。または政治的な理由なのでしょうか。ピーナツ袋を長く持ち続ける事はブルジョア趣味の反マルクス主義的行為としてスターリニズムの粛清の対象となるとでもいうのでしょうか。おっさんは日本人のようでしたが…。または地方の古い因習なのでしょうか。ピーナツ袋を長く手に持っていると、落花生のお化けが夜中にやってきてお臍にこっそり落花生の種を植え付け、朝までには臍から落花生の花が咲いてしまう、だから、長く袋を持っていちゃけねえだよ、と子供の頃おばあちゃんが聞かせてくれた事が忘れられないとか。ああ、いったいどうなっているのでしょう。全ては謎です。
ところでこのおっさん、こんな感じでポリポリとピーナツを食いまくってましたが、映画の途中でピーナツが気管に入ったらしく、むせまくり!ぐえほ、ぐえほ、とうるせえうるせえ!で、おっさん席を立ってどこかに行ってしまったんですが、映画はまだ半ばだっていうのにそのまま戻ってきませんでした…。おおいおっさん!どこいったんだ!やっぱりこれは、「袋を長く持っていると気管に入って映画を中座してしまう」祟りだったということだったのでしょうか…。くわばらくわばら…。