コンスタンティン (監督 フランシス・ローレンス 2005年 アメリカ)

キアヌ・リーブス主演のオカルト探偵物。原作はアメコミ、監督はPV監督出身。オレはどうもこのテの映画に弱い。キリスト教的な神と悪魔の戦い、というテーマも嫌いじゃない。オレ的には今年前半に観た映画のベストの一本にして良い。逆に「ガブリエル」が誰で「ルシファー」が誰で「ロンギヌスの槍」が何か、という事を知らない・興味がない人には「なんじゃこりゃ?」という映画かもしれない。
神と悪魔の戦い、と書いたけど、この映画では既に善と悪の戦いではなく、人間界を挟んだパワーゲームでしかないことが明らかにされている。主人公コンスタンティンエクソシストではあるが、それは神の正義の為ではなくて、神の側に付いていたほうが人間界では旨味があるからやっているに過ぎない。だから時々天使に取り入って出来るだけ美味しい思いをしようとする現世的な男として描かれる。このアンチ・ヒーローぶりがカッコイイ。ちなみに天使ガブルエル役は女性が演じているが、天使の姿で降臨する時は胸が薄べったくて、中性だということを表現している。演じているのはティルダ・スィントンという女優なんだが、ロイヤル・シェイクスピア・シアター出身で、デレク・ジャーマンの殆どの映画に出演してる人なんだね。イギリス女性らしい甘くない顔つきが気に入った。
映像的にはやはり《地獄》の、世界の終末みたいな映像はよかったし、必殺武器の”十字架文様入りカイザーナックル””十字架仕様ショットガン”もコミックっぽい馬鹿馬鹿しさで楽しい。キアヌは相変わらずカッコよくキメていた。原作のアメコミもちょっと気になる所ですね。続編希望。