DAVID BOWIE-A REALITY TOUR

Reality Tour [DVD] [Import]

Reality Tour [DVD] [Import]

D・ボウイ、アルバム「リアリティー」発表後に行われたツアーの様子を収めたDVDです。なにより、全30曲、140分、5.1CH、これで¥1700ちょっと!リージョンフリーなので輸入盤でも日本で再生OK!と、大盤振る舞い、超お買い得の一枚です。勿論内容も素晴らしく、「リアリティー」「ヒーザーン」等の近作にかつてのボウイのヒット曲をバランスよく織り混ぜており、オールドファンも最近のファンも納得の一枚でしょう。
もう、オープニングのCGアニメもボウイの黒っぽいタイトなステージ衣装も、バンドのメンバーも演奏も勿論ボウイ自身もカッコイイことこの上ない。60過ぎてもロックンロールの第一線のステージで演奏してるんだから驚異的です。やはりアップになるとそれなりに顔には皺が刻まれていますが、これがまたいい具合なんだな。
曲目はというと実際オレなんかは苔生したロートルファンの一人ではありますが、実は往年の名曲よりは近作最新作の方が断然カッコよく感じた。やっぱりいつでも「今」が一番の旬の人なのだから。オープニングの「レベル・レベル」の後に「ニュー・キラー・スター」「リアリティー」へと曲が展開するけれど、曲のスピード感やギターの走り方が違うもの。昔の曲は、名曲ではあるけど、やっぱり時代を感じるもんなあ。
それとバンドメンバーで目を引いたのがベースのGAIL ANN DORSEY。黒人女性なんですが、つるつるに剃った頭に丈長めのひらひらしたスカート、そしてぶっといベースをブッコンブッコン弾いてるんですね。剃髪にしているけどこれがまたいい女なんだわ。しかも「アンダー・プレッシャー」では、かつてフレディー・マーキュリーの歌ったパートを彼女が担当して歌いますが、これがまた実に伸びやかでソウルフルで良い歌声なんです!彼女が歌うこのシーンはこのDVDのなかでハイライトなんではないかと思う。
あと「ラヴィング・ジ・エイリアン」はオリジナルでは退屈な曲だったが、ここではシンセ&ギター1本で演じられ、アレンジも微妙に変わり、実はとても美しい唄だったという事を発見。若かりし頃の攻撃性が抜けて、始めて歌える事の出来た叙情だったんではないか。ここにもボウイ壮年期の輝きを見て取る事が出来る。