色は匂えど 散りぬるを

オレは以前自分の日記を「廃墟系」とか言っていたが、ある人から「全然廃墟じゃないしある意味真っ当ですよ」と言われたことがあった。確かに、ずっこけてる事やイタイ事は書いているが、荒んでもいないんだよな。
ただ、日記始める頃までは、結構な鬱質のうえ、要らぬ情念をドロドロと抱えた人間だった。はずだった。なにより日記始めるにあたって付けたこのタイトルも、「全ては無意味だ」って意味だったし。
でもこうして書き始めると、そういう自分の暗さって、表に出ないんだよね。冷笑的だったり攻撃的だったりする部分も、やっぱり出ないんだ。そこそこ長く生きてきた人生ではろくでも無いことのほうが多かったので、そういう記憶が強く残ってはいるけれど、今でもそれに拘わずらっているかと言うと、案外そうでもないみたいなんだ。人が読む事が前提だから、カッコつけてるのもあると思うよ。でも、オレもいい歳なのに、そんな、無防備に心情吐露したり逡巡ばっかしてられねーよ。カッコわりいし。どうも、そんな最低限のバランス感覚はあったらしい。
そんなこんなで去年までの日記で書いていた事って、それまでの自分の、体験したことや好きでやっていたことの総決算みたいなところがあるんだよな。でも今でも興味があるかというと、今はそれほどでもないような気がするんだ。
去年まで書いたことで、例えば今もうホラー映画には興味は無いし、フィギュア大して買わないし、ネットにもそれほど入り浸ってないし、お笑いも見ないし、ゲームも数はやらなくなってるんです。
オレって、飽きっぽいんですよね。物事にも飽きるけど自分の感情にも飽きる。暗い気分もずっと続くと、それ自体に飽きてくるんです。それは多分つまらないから。良い悪いは別として気持ちや物事の新陳代謝が早いんです。これが「無意味に健全」って自分のことを言った意味です。
じゃあこれから何を?って、何かは判らないけど、これまでと違うことをしたいんだろうなあ。今はこうして日記かいてるのが楽しい。頭の中に沸く言葉を整理して文章にする行為が楽しい。そしてこれを通して、誰か知らない人と繋がることが出来るのが楽しい。まあいつかこれだって飽きるのかもしれないけど。
でも何か新しい事をしたい、新しい物に触れていたい、って気分だけは無くしていきたくないなあ、と思っているんです。オレのヒーロー、デビッド・ボウイの歌にもありましたよ、「チェ、チェ、チェ、チェンジズ!」ってね。
(…ああそうか、今思ったけど、オレ、ひょっとして大人になったのかなあ。…今頃?とか突っ込まないように)