「連続美女失踪事件」の解決篇。事件自体はしょうもない動機とリアリティ皆無の犯罪方法によって行われたにせよ、実際の所ストーリーなんてもともと
おちゃらけだから温かく見守ればいいのだ。適度にエッチで適度にお馬鹿、というのは
小林まことの持ち味なのだから。それよりも作者が描きたいのは格闘家の持つ絶対的なパワーだ。そのパワーがどのように噴出し、どのように収束してゆくのか。主人公・東三四郎とその仲間たちが悪役を有無も言わさず殲滅させるシーンの爽快感。特に《一撃》が入る瞬間の絵のリズム感が楽しい。プロレスはショウなのだろうが、そのショウの興奮と爽快感を日常に持ち込もう、としたのがこの漫画なのかもしれない。格闘技に興味のないオレでも興奮する、
小林まことは格闘技の楽しさのツボを知っている漫画家なんだろうなあ。