ドラッグ、そしてねこぢる

実際にドラッグをやってみたいとは思わない。酒が止められない人間がドラッグに手を出して止められるわけが無いと思うからだ。
海外に行ってちょっとハッパやった連中の話はよく聞くが、これって中学生が体育館裏でタバコ吸ってる事を自慢してるみたいで、なんか違うだろ、って気がする。
以前のオレの知り合いで、そのテのハッパの秘密吸引サークルに入ってる、とか言ってた奴がいた。彼の徹底している所は、会社で休みが取れるとアジア・中東全域の麻薬地帯へと旅行しに行っちゃうことである。
オレは麻薬を否定してるわけではない。やるならこれぐらいやって欲しい、と思うだけだ。一応日本では非合法なので、「ちょっとやったことがある」なんていうのはガキの遊びなんだと思ってしまう。非合法と知って遣るならあえて極めて欲しい。それだったら、人生棒に振ったって悔いは無いじゃないか。
だから外国映画の、ドラッグで人生駄目にして…という話は全て嫌いだ。それは自己責任だろ。納得づくで破滅しろ、と思う。ドラッグに手を出す弱さ、人間くささ、なんて全て嘘だ。単に好きだから手を出すだけだ。そして好きなことには責任を持つべきだ。
オレが一番好きなドラッグの話は夭折したカルト漫画家・ねこぢるさんのインド旅行記の中の話だ。このマンガは彼女と旦那がインド旅行しながらガンジャ大麻の一種)やってインドのエキゾチズムをスピリチュアルに体験する、といった内容だ。オレはスピリチュアルとか言う単語には胡散臭さを感じるが、ねこぢるさんのいい所はそれがあくまで個人的なものでしかない、という認識が確固としていた事だった。
このマンガの中でドラッグ作家バロウズのことが取り上げられている。彼はモロッコの安宿でモルヒネを打ち続け、ベッドに横になったまま、1年間自分の靴のつま先だけを見つめていたんだそうだ。
1年間、ベッドで靴先だけを眺めていて、それでも最高の幸福を味わっている。オレはやってみたくは無いが、かといって正しいとか間違っているとかも思わない。人間が所詮快感を追い求めて生きる生き物だとすれば、これはいびつではあれ究極の形のなのだし、これを否定できる人間はなにか人間性とかに期待しているおめでたい偽善者なんだと思う。
ちなみにWHO=世界保健機構ではドラッグ類の常習性で、マリファナよりもアルコールを上位に指定している。(最上位はヘロイン)つまりオレ等はマリファナなんぞより強いヤクを合法的に摂取しているんである。ハッパぐらいで自慢しているなんざ片腹痛いんである。さらに言っちゃうなら中世〜近世のヨーロッパではコーヒーのカフェインだってドラッグ扱いだったんだぜ。

ぢるぢる旅行記 (総集編)

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