まっか

(これまでのあらすじ)東北の貧農の家庭の5男として生まれたFUMOは間引きを逃れ一人東京へと上京する。上野で自衛隊勧誘兵器「MISIMA」の魔の手から間一髪で逃れたFUMOは、寝床に選んだ不忍池映画館がハッテン場とも知らずに入り込んでしまう。襲い掛かる「ADON」「SABU」「SNIPER」。そこを助けてくれたのは片目のホームレス・ダンペイだった。ダンペイは言った。「お前こそがこの赤ジャージを譲り受けるべき新たな勇者。」ダンペイはFUMOに真紅のジャージを着せる。そして、ダンペイは赤ジャージにまつわる驚くべき物語を語り始めるのだった…。(ロード・オブ・ザ・ジャージ第一部「ジャージの仲間」より)
赤ジャージを着て、そっと夜の街を歩いてみた。
何時もの風景がこんなに違って見えるなんて。
世界は新鮮で、そしてまあるく完結し、満ち足りていた。
その瞬間、オレは世界に恋さえしていた。
オレは、既に赤ジャージの虜と化していた。
(続く)(マジかよ)