オレとホラー③  という訳で私的ホラー映画ベスト10

SF的要素のあるものはあえて外しました。「遊星からの物体X」とか「マックィーンの絶対の危機」とか大好きなんだけどさあ。

ゾンビ 米国劇場公開版 GEORGE A ROMERO’S DAWN OF THE DEAD ZOMBIE [DVD]
1位「ゾンビ」…もう、金字塔でしょう。朝な夕なに、3時のおやつに、家族の団欒、恋人とのひと時、レジャーのお供に、仕事の後のリフレッシュに、海に山に、盆に正月に、嬉しい時悲しい時、晴れの日も雨の日も、そこに「ゾンビ」さえあれば、オレはいつでも暗黒大魔王でいられる。この映画を見ているオレはいつも思っていた。「世界なんて、本当に滅んでしまえばいいのに」。

ビデオ・ドローム [DVD]
2位「ビデオドローム…日本初上映は渋谷のユーロスペースだった。脳みそが裏返るような衝撃だった。映画館に4回通った。頭が破裂するシーンで、オレは毎回恍惚となった。「もっと」とオレは呟いた。もっと破壊を。もっと死を。思えば、その頃サイテー生活をしていた自分を、否定したかったんだと思う。

ローズマリーの赤ちゃん [DVD]
3位「ローズマリーの赤ちゃん…上記2作品は何度でも見たいホラーだが、この映画はもう2度と見たくないホラーだ。血もグロテスクな描写も何も出ない。不確かで不気味な噂、何度も続く偶然の事故。誰一人信用できない孤独と恐怖。ただただ精神を神経を不安が苛んでゆく。想像力の豊かな人ほどこの恐怖には堪えられないと思う。このリストの中で一番怖いホラーかもしれない。

シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン [DVD]
4位「シャイニング」…やはり王道だろうな。天才であり鬼才である映画作家の描くグラン・ギニョール。実はJ・ニコルソンが斧を振り回すシーンの物真似、オレの十八番です。


デッドゾーン デラックス版 [DVD]
5位「デッドゾーン…これもキング物だな。ホラーではあるが、こんなに切なく、最後に泣かせる映画も珍しいんでは。クリストファー・ウォーケンの陰気な顔がイカス!


6位「ダゴン…ちょっと渋めに、スペイン作品。しかし内容はラブクラフトの「インスマスの影」!SFXは拙い所もあるが、小糠雨の降りしきる陰気な天気とじめついた雰囲気がイイ!そして「呪われた神」の異形の娘であるイクシアの両棲類的美しさは必見!さらに絶望と歓喜がフーガを奏でるラストに喝采です!asin:B00006JJC2

ヘル・レイザー [DVD]
7位「ヘルレイザー…映画自体はちょっとキツイかも。しかし、「魔導師」「パズル・ボックス」というポップでサイバーなホラー・イコンを世に送り出した業績は「エルム街」や「13金」よりも評価するべきだと思う。


バタリアン [DVD]
8位「バタリアン…「ホラーはバカなんだ」「ホラーはバカでもいいんだ」と、オレのホラー認識をもう一度改めてくれた映画。


死霊のはらわたIII キャプテン・スーパーマーケット [DVD]
9位「死霊のはらわたキャプテン・スーパーマーケット…ホラーでバカ、ゾンビでギャグ。バカホラー路線を迷いも無く突き進んでいたサム・ライミ死霊の集大成。


ポルターガイスト [DVD]
10位「ポルターガイスト…いや、実は結構好きなんですこの映画。



次点:「スクリーム」は非常によく出来た作品だと思うが、超常的要素がないとどうもホラーって呼びづらい。「エクソシスト」は文学的過ぎるような気がする。ライミの「ザ・ギフト」は「ホラーと癒し」を描いた秀作だと思う。カーペンターの「マウス・オブ・マッドネス」も正面からクトゥルー神話を描いた力作だ。ホラーかどうか疑問だが、「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」は綺麗でいい映画だった。先日書いた「クリープショー」は短編ホラーに注目させてくれた作品だった。
1〜10位と次点を分ける大きな違いは「絶望」の存在の有無である。
実は人は「絶望」にさえ酔う。「絶望」は心地よい。多分人の脳には、逃れられない死を前にすると大量の脳内麻薬が分泌されるんじゃないのかと思う。そしてホラーとは、死のシュミレーションでもありうるのだ。