オレ的音楽史 PART 2

人に歌あり。そして人に歴史あり。
と云う訳で今日も「自分語り」“オレの体の上を通り過ぎていった様々な音楽たち”、行ってみようかと思います。
ハタチになるまで。インディペンディント・レーベル。
高校卒業後、集団就職で東京に上京。メッキ工場に勤める。(かなり嘘が混じってます)
この時期に到来したのはUKインディペンディント・レーベルの新しい音楽。今で言う「インディー系」って奴か。ラフ・トレード、ファクトリー、4AD。「オルタナティブ」って本当はこの頃(80年代)のこれらの音楽を指して言ったんですよ。ヘタウマでアバンギャルド、アートでパンク。実験音楽とポップ・ミュージックの融合。ニュー・ウェーブが商業主義に飲み込まれてきた反動の地元主義、地域主義。
ラフ・トレード。隣町のにーちゃんやねーちゃんが演奏してるみたいな雰囲気。「なんだ、街で見かけたときは地味な奴だと思ったけど、演奏聴いてると、結構面白いことしてるじゃない」って感じ?手元足元の音楽。目線が一緒の音楽。4ADはゴス!ゴスの皆!バウハウスコクトー・ツインズを聴くんだ!
そしてファクトリー・レーベル。もう、「出会ってしまった」としか言いようがない。ドルッティ・コラム。ア・サータン・レイシオ。アートスクールの学生達が作ったみたいな音楽。そして、そして、伝説のバンド、ジョイ・ディビジョン。やられた。後頭部を金槌でぶん殴られまくったような、重い重いダメージ。オレの10代はジョイ・ディビジョンとともに終わった。多分オレの幸福だったガキ時代も終わった。しっかしなんであんなに暗かったんだろう。
インダストリアル・ミュージックなんてのも現れた。キャバレー・ボルテールスロッビング・グリッスル!パンクでダダイストクラフトワークって音。電子楽器アンダーグラウンド。丁度東京に上京してきたオレには東京のコンクリートだらけの街並みにこれらインダストリアル・ミュージックの工業ビートがとてもマッチしているように感じて、これもよく聴いていた。
ウォークマン登場。
そういえばこの頃丁度、SONYが第1号のウォークマンを発表・発売してますね。1979年7月。かねてから「外を歩いている時も音楽を聴いていたい」と思っていたオレはすぐ飛びついた。それまでも実家にいた時は、ラジカセ持ってヘッドフォン被って音楽聴きながら外歩いてたりしてた。オレは田舎生まれなんで、そんなカッコして外歩いてもあまり人とすれ違わないんで恥ずかしくなかったですね。そういえばあの頃って夏休みに旅行行く時なんかでも、必ずラジカセ持って行ってたなあ。どっちにしろ変わった高校生でしたね。
第1号ウォークマンが発売されてから今年で25周年だそうですが、ということはオレ、25年間、オモテ歩く時は片時も離さず、なにがしかポータブルプレーヤーをして音楽を聴いていたことになりますね。カセットテープがCDになって、今はMP3ですけど。この3世代、ずっとオレのポータブルプレイヤーのライブラリーに絶対入っていたバンドがある。それはニュー・オーダーペット・ショップ・ボーイズ
20代。そして1984年。
ジョイ・ディビジョンはヴォーカルのイアン・カーチスの自殺と共に終焉。新生バンド・ニュー・オーダーがスタートする。( 4月7日分参照
20代の始めは暗い音楽ばかり聴いてメソメソしていたような気がする。いろいろあったんすよ。書かないけど。精神的にもどんどんダークでアンダーグラウンドなほうへと落ちてゆく。この頃のリピートNO.1はブライアン・フェリーのソロ。「これら他愛ない物事が 君の事を思い出させる」。彼の1st、「愚かなり、わが恋」が一番好きだった。だから、いろいろあったんだってば。
1984年前後はいい年だったかも。MTVでプリンスを発見。レッツ・ゴー・クレイジー!!少し元気になる。アート・オブ・ノイズフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド発見。サンプラーがポピュラー音楽にガンガン使われるようになる。これにより、アコースティックな音源/リズムをぶれなく均等に並べることが出来るようになる。そして揺るぎのないフラットな音は正確さと同時に余計な人間臭さを否定してくれる。
ペット・ショップ・ボーイズ発見。セーシン的にグズグズだったオレに良く沁みる音楽だった。はまりまくる。「世界は空虚だ」と言ったあと「だからあとは踊るだけだ」と言ってくれた。ディスコの薄暗がりの刹那な快楽。少し水気が戻る。
そしてニュー・オーダー。ロック史とクラブ・ミュージック史に残る超名作シングル、「ブルー・マンデー」発表。自殺した友人に向けて書かれた音楽。「教えてくれ、どう感じたらいい?今俺はどう感じたらいいんだ?」輝くデジタルビート。この12インチシングルのジャケットは初期の8インチ(20センチ)フロッピーディスクとFDの紙のジャケットに模してデザインされていた。
PSB、ニュー・オーダーの連続リリースでエレクトロ・ダンス・サウンドにはまる。もう、踊るしかないのかもしれない、と思い始める。
しかし。せっかく健気に生きられる、と思った矢先、ザ・スミス結成。ヤバイ。せっかく幸福になれると思ったのに。実は、こいつらが、オレの最後のボス・キャラだった。
(オレの明日はどっちだ!・・・と言うわけでまたもや続く。ええっまだ続けるつもりなんすか!?)