その名はヘンケルス

キッチンタイマーが欲しかったのと、コーヒードリッパーを買い換えたかったので、庶民の味方イトーヨーカドーの家庭用品コーナーでつましく商品棚を眺めていたオレを呼ぶものがあった。それは包丁。ヘンケルスの包丁である。
ヘンケルス。世界に名だたる刃物の本場と呼ばれるドイツの町ゾーリンゲンで300年以上の伝統を誇る刃物メーカー。そのヘンケルスのロストフライ半つば三徳包丁がオレに微笑みかけていたのだ。ちなみに「半つば」とはつば付き刃のことで、柄への浸水を防ぎ、衛生的なキッチンライフを演出する優れた技術である。なんかコピペっぽい文章だが気にしてはいけない。
値段は5000円弱。微妙な値段である。頻繁に料理するほうではないし、たいした物も作れないのだ。*1しかしだ。オレにとって新品のキッチン用品というのは妙に心躍るものである。女性はともかくとして、この心境を理解出来る同性がどれだけいるか判らないが、兎に角オレはそういう男なんである。この間も知り合いの女性と「機能的なペッパーミル」について語り合い大いに盛り上がったばかりなのだ。どうもオレはこういうちまちました物事に幸福を感じる性質らしい。
で。買った。買いましたよ。給料貰ったばかりだし、ボーナスも近いし、大盤振る舞いしたい気分だったわけだよ。
アパートに帰り、早速、使う。そして…凄い…凄いよ…凄いよヘンケルス!!野菜も肉もまるで吸い込まれていくように切れていくんだよ!!というか、今まではなんだったんだよ!これが包丁だよ!これこそが料理を作ることなんだよ!ありがとうヘンケルス!感動をありがとう!
…と一通り盛り上がり、(相変わらず大げさなオレ)一息ついてからネットでヘンケルスをググリました。日本でのHPはここです。http://www.henckels.co.jp/ 
そしてここで見つけた1本にこんなのを見つける。「クールカットプラスシリーズ」。(TOPの写真を参照してね)刃:特殊ハイカーボンステンレス鋼。ハンドル:アクリル樹脂。フィンガープロテクター:ABS樹脂。シルバーのボディにパールブルーのラインとアクセント。…なんだ、なんだこのカッコよさは。しかもカッコいいクセしてこいつは単なる包丁なのだ。欲しいぞオレは今猛烈にこれが欲しい。新しい包丁を買ったばかりだがこの際そんな事は些細なことでしかない。お洒落な文房具なんかは「けっ」とか言って馬鹿にするオレだが、カッコいい調理器具にはなぜか惚れてしまうな。結局調理器具というのは確固たるプラグマティズムの産物だからな。という訳で新しい包丁が欲しくてワクワクしているオレなんであった。…イカン、ヘンケルスのHP見てたら鍋まで欲しくなってきた…。これがまたドイツっぽい質率剛健ないい感じのデザインなのよ…。

*1:そもそも好物がケータリングのピザとサーロインステーキ。いったい何処に料理の余地があるのだ