Blaze Presents Underground Dance Artists United For Life / Keep Hope Alive


”希望”への思いと、何か人の為のなりたいという願いを込めて、我々はこのプロジェクトを始めました。(中略)我々が恵みを授かったように、我々も恵みを与えていかなければならない、と。(後略)------ケヴィン・ヘッジ(ブレイズ)

ハウス・ミュージックの重鎮、ブレイズの新作はバイロン・スティンギリー、ウルトラ・ナテら6人のヴォーカルを迎えてのプロジェクト(売り上げの一部がエイズ基金に当てられるらしい)です。今回のアルバムでもリズムの抜けがよく、実にソウルフルかつビュリホーなメロディーのハウス・ミュージックを聴くことができます。ここらへんゴスペルのテイストがあるのかもしれない。
オレがハウス・ミュージックを意識して聴きはじめたのはトッド・テリーの「トゥ・ザ・バットモービル・レッツ・ゴー」(1988年)あたりからですかね。リズムボックスの4つ打ちビートにサンプリングされたヴォイスやエフェクトが延々とループされ、聴く内にそれは酩酊感を生み、それが永遠に続く様にさえ感じた。ビートが1打1打刻まれる度に、少しずつ空の高みへと近づいていくような高揚と幸福感。そしてオレはそれまで聴いていた文学的なまでに鬱々とし、果てしなく個人の閉塞を演奏していたロック・ミュージックを捨てて、ハウスをはじめとするクラブ・ミュージックを聴き始めるようになったってわけです。
それにしてもこのアルバム、実に肯定的で明確さに溢れた音です。最近コレばっかり聴いてます。実を言うとここ数ヶ月気分的にどん詰まってて、深夜のコンビニのおでんの様にニエニエになってたんですが、このアルバム聴いてたらやっと抜けられそうだなあ、という気分になってきました。この間書いたエブリシング・バット・ザ・ガールを聴いてた頃が気分的に”一番底”だったもんなあ。(3月1日3月9日参照)しんどかったなあ。「希望への思い」っていうのが伝わってきたのかなあ。何しろぎゅっと抱きしめられてるみたいに希望と幸福感に満ちた音なんですよ。なんかいい事あるかな、もう春なんだし。
収録曲の中でもブレイズの”ウィ・アー・ワン”が何しろ秀逸!聴いてると走り出したくなるほどです(オレって単純だなあ…)。とりあえず今のオレのテーマ曲にしてます。