ゆるふわスパイ・ラブコメ〜映画『キス&キル』

■キス&キル (監督:ロバート・ルケティック 2010年アメリカ映画)

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結婚したカレは秘密エージェントだった!?というスパイ・アクション・ラブコメ映画です。『パーフェクト・ライズ』とか『ナイト&デイ』とか『Mr.&Mrs. スミス』とか似たようなスパイ・コメディは沢山あるかと思いますが、割と嫌いじゃないですねこの手のオハナシ。基本的にスパイモノって好きなんでしょうね。プロット的には被らないけど『オースティン・パワーズ』シリーズとか『ゲット・スマート』あたりも楽しんで観たもんなあ。やっぱり【秘密任務】ってやつにグッと来るんでしょうか。そういや子供の頃玩具のスパイ・グッズとか買って喜んでたもんなあオレ。さて今回の『キス&キル』、主演のスパイであるアシュトン・カッチャーは分かりやすい優男だし、ヒロインのキャサリン・ハイグルは分かりやすい美人だし、監督は分かりやすいラブコメ映画を多く撮ってるというロバート・ルケティックという人だし、つまり全体的に実に分かりやすいライトなお話となっているわけですな。運命の女性と出会ってスパイ稼業から足を洗った男が後々組織から命を狙われる、という物語なんですが、冒頭は風光明媚な南フランスから始まり華麗なスパイ任務の様子やロマンティックな出会いなどをゴージャスに描きながらも、中盤からはせせこましい御近所のみを中心にドタバタするっていうスケールダウン感が、狙ったのか単に予算が無かったのかは別としても可笑しかったです。やっぱりどんなにイケメンで切れ者のスパイでも、結婚して落ち着いちゃうと所帯じみちゃうのは免れないってことなんでしょうかねえ。しかしいくら組織を抜けたからと言ってあんだけのヒットマンの頭数揃えて何年も潜伏させて虎視眈々と命を狙うって、随分回りくどいというか気の長い組織ではあるよなあ。全体的にはスパイ・アクションというよりもゆるふわラブコメな要素の方が比重が大きい映画でしたね。まあゆるふわ、というよりもちょっとゆるゆる、だったかもしれないけど!

ファミリー向けSFコメディ〜映画『屋根裏のエイリアン』

■屋根裏のエイリアン<未> (監督:ジョシュ・シュルツ 2009年アメリカ映画)

バカンスでやってきた別荘の屋根裏に地球征服を企むちっこいエイリアン集団が襲来、これを打破する為に子供たちが立ち上がる!という日本未公開のSFコメディです。子供向けのお話ではありますが、それなりに予算を掛けているSFXやしっかり練られた物語構成で、大人の鑑賞にも十分堪えられる映画になっています。登場するキャラは人間たちもエイリアンたちもそれぞれ個性的に性格付けされており、そのキャラ同士の絡み合いが物語を楽しく盛り上げているんですね。地球侵略にやってきたエイリアン集団は凶悪ではありますがどこかヌケているところがユーモラスだし、子供たちはそれぞれの特技を生かしてエイリアンたちを撃退しようとします。そしてジュブナイルものの定番といいますか、大人たちはといえば全然つかいものにならないっていうのが可笑しいですね。エイリアンたちは人間を操る装置を持っているのですが、これが子供には通用せず、そのせいで子供たちだけでエイリアン退治に乗り出さねばならなくなっちゃうんですね。この装置により最初にゾンビ化したしたのは子供たちからもともと嫌われていた大学生なんですが、その後その装置を奪った子供たちが「あのいけすかない大学生をこの装置を使って操りまくっちゃおう!」とばかりに馬鹿なことばかりさせて遊ぶシーンがなんだか物凄くサディスティックで、大爆笑させられました。「昇龍拳を放つお婆ちゃん」とかマジ腹抱えたわ。後半はエイリアン集団がこの別荘にやってきた訳を知った子供たちとエイリアンたちとの戦いが激烈となり、思ったよりも派手なSFXを使ったクライマックスを迎えます。こじんまりとまとまってはいますが決して退屈することの無い作品だし、家族揃って観るのが楽しい映画だと思いますよ。