映画『アイアンマン2』の真の主役はスカーレット・ヨハンソンのチチとケツだった!?

アイアンマン2 (監督:ジョン・ファヴロー 2010年アメリカ映画)

■こんなアイアンマンは嫌だ!?

「昼間はアイアンマンだが夜はもっと別の部分がアイアンマンだぜ!?」とうそぶくイケイケの鉄人セレブ、アイアンマンの映画も2作目である。この『アイアンマン2』の完成を祝い、《こんなアイアンマンは嫌だ!?》を考えてみた。
アイアンやん…関西出身のアイアンマンやでえ
アイアンニャン…もちろんあのネコ型ロボットのことである
アンアンマン…「いやんばかんうふんアンア〜ン」といつも悶えている気色悪い男のことである
アーイアイマン…おさーるさーんだよー
アイフォンマン、アイポッドマン、アイパッドマンApple至上主義の正義のヒーローである
アイヤーマン…困っている中国人である
アイロンマン…皺一つないパッキパキのアイロンを仕上げるクリーニング店員である
アイアンまん…貧血気味の女性のために商品開発された鉄分入り饅頭である
iあんまん…あんまんですが何か?
アイーンマン…志村!後ろ後ろ!
アイアンさん…ご近所のおじいちゃんおばあちゃんにも信頼の厚いアイアンマンである
アイアンサイドマン…鬼警部である
メタルマン…アイアンマンのパクリ映画である

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…以上、「くだらない」「つまらない」「頭痛がする」などの苦情は一切受け付けないのでそのつもりで。

■なにかと上手くいかないアイアンマンさんだった!

というわけで例によって箸にも棒にもかからない戯言を書きつつ『アイアンマン2』なのである。前作では大企業の御曹司であり大金持ちでモテモテのセレブがテロリストに拉致られ、その辺のテケトーな道具でモビルスーツ組み立て敵を撃破、本国に帰ってきてからは言うことをきかない会社重役のヘボアーマーをボコにし、記者会見で「あの鉄人は誰!?」との質問に躊躇なく「俺っす!俺がアイアンマンっす!」と公にするという、ポジティブ思考命、やったもん勝ち、金持ってて何が悪い、モテてスイマセン、もちろん才能は有り余ってますが何か?などなど、いけすかない人間の集大成のようなヒーロー像を披露したアメコミムービーの続編というわけだ。
で、この『2』、前作ではアッケラカンのピーカン野郎だったトニー・スタークさんにいろいろ試練が訪れるのである。国からはアイアンマンよこしやがれとがっつかれるし、リアクターの副作用で体ボロボロだし、敵対企業「ハマー・インダストリーズ」の社長はウザいし、なんかこの辺の描写で前半が占められちゃって、前作のような爽快感がイマイチ足りないのである。スタークさん本人も面白くなかったのか、アイアンマンスーツ着て酔っ払って暴れたりしているのである。なにかと上手くいかないアイアンマンさんなのである。

■真の主役はスカーレット・ヨハンソンだった!?

一応後半からはミッキー・ローク演じるところのアイヴァン・ヴァンコ(=ウィップラッシュ) が活躍してやっと活劇っぽくなる。大量のアイアンマン量産機との戦闘、敵にコントロールを奪われる味方機マーク2などエヴァンゲリオンぽい展開で派手にドンパチやってくれるわけだ。ただまあ、この戦いというのがヴァンコさんの私怨とハマー社長との企業紛争でしかないわけで、前作も会社役員との内輪もめの物語でしかないことも考えると、意外とアイアンマンのお話というのは観ているモンとなんもカンケー無いお話でもあるわけなんである。
しかしそこに現れるのがスカーレット・ヨハンソン演じるところのナタリー・ラッシュマン(=ブラック・ウィドー)である。スタークさんの秘書になっちゃったりしているが最初から怪しい雰囲気プンプンで、そしてやっぱりなんとか団のスパイということがわかる。彼女がクライマックス、ウィップラッシュの居場所に潜入する時のアクションが格好いいこと格好いいこと!同時進行で戦闘しているアイアンマンとその敵が、科学の粋を集めながらも結局は無骨な金属の塊がぶつかりあっているだけなのに対し、ブラック・ウィドーは鍛錬した肉体のエレガントな戦闘を見せてくれるのである。そして美人だ。さらにチチもケツもいい。オレはもう途中からアイアンマンなんてどうでもいいから、このブラック・ウィドーさんのほうのお話を見たくなってしまったぐらいである。そう、科学の夢・科学の誇りであるアイアンマンも、チチとケツには負ける、ということなのである。

■ミッキー・ロークさんご登場!

いやあしかし今作はなんといってもミッキー・ロークさんが出演なさっているのが嬉しいですな。かつてのイイ男俳優のミッキーさんの頃は『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』とか『エンゼル・ハート』とかがお気に入りでしたが、特別思い入れのある俳優というわけでもなかったんですよ。そしてその後日本に来てネコパンチやって帰ったぐらいからなんだか鳴かず飛ばず、すっかり忘れていた頃に『レインメーカー』を観て、なんだか怪しいオヤジが出てるけどこれ誰?え、ミッキー・ローク!?人相変わっているよ!?とショックを受け、なんかイロイロあったらしいことを知って段々この人に興味が湧いてきたというわけです。
もう顔なんてボロボロでね。基本的に男優なんてツルツルの顔のイイ男だって頭があるから、キタナイ顔したオッサンとか出てくると妙に興味が湧いてくるんですよ。エドワード・ジェームズ・オルモストミー・リー・ジョーンズも最初見た時はボコボコの顔にドキドキしたよなあ。あとオレが大好きなダニー・トレホもアバタヅラしてるよねえ。オレ若い頃凄いニキビ面でさあ、そういうの気にしてたから、アバタヅラが堂々と映画のスクリーンに出てくると「おおお!?」とか感心しちゃうんですよね。なんか、自分のコンプレックスが昇華された気になっちゃうんでしょうね。その後もミッキーさんはとても印象的なチョイ役で出てきてはオレを楽しませてくれましたが、『シンシティ』で堂々主役に返り咲いた時はちょっと嬉しかったなあ。そしてあの『レスラー』ですよ。拍手喝采でしたな。今回もこの『アイアンマン2』で迫力ある悪役を演じてくれて、アバタヅラマニアであるオレも大満足でありましたよ。

アイアンマン2 予告編