2022-01-01から1年間の記事一覧

最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他

Jeff Mills Wonderland / Jeff Mills and The Zanza 22 ワンダーランド (WONDERLAND) アーティスト:JEFF MILLS AND THE ZANZA 22,ジェフ・ミルズ・アンド・ザ・ザンザ22 MUSIC 4 YOUR LEGS Amazon Jeff Mills、以前はハードミニマルのトップアーチストとして…

アフロフューチャリズムとブラック・フェミニズムの物語/映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエヴァー』

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエヴァー (監督:ライアン・クーグラー 2022年アメリカ映画) 国王ティ・チャラ/ブラックパンサー亡きあと MCU映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエヴァー』は前作で主役を演じたチャドウィック・ボーズマンの突…

ロバート・W・チェンバースとアルジャーノン・ブラックウッドの怪奇小説を読んだ

黄衣の王 / ロバート・W・チェンバース (著)、BOOKS桜鈴堂 (翻訳) 黄衣の王 作者:ロバート・W・チェンバース Amazon ロバート・W・チェンバースの代表作にしてクトゥルー神話の原点、待望の新訳版!!自殺が合法化された世界で、狂気の野望に取り憑かれた…

ロックよもやま話:オレとパブリック・イメージ・リミテッド

John Lydon 10代後半の頃はニューウェーヴと呼ばれるロック・ジャンルをよく聴いていたが、その中でもジョン・ライドン率いるパブリック・イメージ・リミテッドは、オレにとって「神」扱いしていたバンドだった。 70年代半ばに始まったロンドン・パンク・ム…

最近聴いたダブとダブテクノ / Pig & Dan、Grayscaleレーベルのアルバムを中心に

Pig & Dan Pig & Danとその他のダブ・アルバム Destination Unknown 2 / Pig & Dan Destination Unknown 2 アーティスト:Pig & Dan Bedrock / Hyper Amazon スペインを中心に活躍し、数々のフロア・ヒットを飛ばすプログレッシブ&テックハウス・デュオ、P…

犬猿の仲の元夫婦が娘の結婚式阻止のために休戦協定!?/映画『チケット・トゥ・パラダイス』

チケット・トゥ・パラダイス (監督:オル・パーカー 2022年アメリカ映画) 最初はあれほど愛し合い結婚して子供までもうけたのに、いつしかその愛も冷め結婚も解消、今では憎み合いいがみ合いすっかり犬猿の仲の元夫婦が、娘のスピード婚を阻止するために休戦…

ドンソク兄ィがまたまた大暴れするクライムアクション『犯罪都市 THE ROUNDUP』!

犯罪都市 THE ROUNDUP (監督:イ・サンヨン 2022年韓国映画) 「悪い奴らはこの俺がぶん殴るッ!」……『新幹線 ファイナル・エクスプレス』『悪人伝』のマ・ドンソク(以下ドンソク兄ィ)が暴力刑事に扮し、悪党どもをちぎっては投げちぎっては投げしてゆく…

パナソニック汐留美術館『つながる琳派スピリット 神坂雪佳』展を観に行った

ART

この間の土曜日はパナソニック汐留美術館で開催されている『つながる琳派スピリット 神坂雪佳』展を観に行きました。実はこの日は展覧会初日で、オレもいよいよ初日に駆けこんじゃう人になっちゃったかあ、などとどうでもいい事に感嘆していました。ちなみに…

もしもH・P・ラヴクラフトがバットマンを描いたら?『バットマン:ゴッサムに到る運命』

バットマン:ゴッサムに到る運命 / マイク・ミニョーラ (著)、リチャード・ペイス (著)、トロイ・ニクシー (イラスト)、森瀬 繚 (訳) 時は1928年。世界各地を放浪していたブルース・ウェインは、行方不明になったゴッサム大学の遠征隊を捜索するため、南極の…

映画『アムステルダム』はオールスター・キャストが何より楽しい作品だった!

アムステルダム (監督:デビッド・O・ラッセル 2022年アメリカ映画) 映画『アムステルダム』は1930年代のニューヨークを舞台に、深い友情で結ばれた3人の男女が殺人の濡れ衣を晴らすために奔走する!という物語なんですね。実話を元にした物語なのだそうで…

いがらしみきお作品を4作読んだ/『お猫見』『お人形の家 寿』『今日を歩く』『あなたのアソコを見せてください』

いがらしみきお作品を4作読んだ いがらしみきおの漫画は、ある時期のオレにとって聖典に近いものだった。それは誰もが知る大ヒット作『ぼのぼの』では決してなく、『ネ暗トピア』に代表される初期の、ルサンチマンとニヒリズムが全てを覆い尽くす暗黒の4コマ…

囚われの料理人は女海賊の舌を魅了できるか!?/海賊冒険×お料理小説『シナモンとガンパウダー』

シナモンとガンパウダー/イーライ・ブラウン(著)、三角和代(訳) 「命が惜しければ最高の料理を作れ!」1819年、イギリスの海辺の別荘で、海賊団に雇い主の貴族を殺害されたうえ、海賊船に拉致されてしまった料理人ウェッジウッド。女船長マボットから脅され…

宇宙一の映画がやって来るアール!アール!アール!/映画『RRR』

RRR (監督:S.S.ラージャマウリ 2021年インド映画) あの『バーフバリ』監督による話題の新作映画! あの超絶異次元アクション映画『バーフバリ』2部作を監督したS.S.ラージャマウリの新作が遂に公開される!と聞いたらこれはもう観に行くしかありません。…

お好み焼き。

「ところで冷蔵庫にずっと残ってるソースを消費したいんでお好み焼きを作ってみようかと思うんだけどどう?」と相方は言った。 「あーいんじゃない?」とオレは答える。ただ、ここで問題があった。北海道生まれのオレと東北生まれの相方はどちらも関西に代表…

ホレス・アンディのダブ・アルバム『Midnight Scorchers』が秀作だった

Horace Andy Midnight Scorchers / Horace Andy Midnight Scorchers [解説・歌詞対訳付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC713) アーティスト:Horace Andy,ホレス・アンディ BEAT RECORDS/On-U Sound Amazon ホレス・アンディといえば実に長きに渡ってレ…

アメリカの「ネット怪談」を起源に持つホラー・アンソロジー『【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ』

【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ/ミスター・クリーピーパスタ (編集)、倉田真木(訳)、岡田ウェンディ(訳) ネットの恐怖都市伝説のコピペから生まれたホラージャンル“クリーピーパスタ”。綿密に計画をたて女性の家に忍び込んだ殺人ストーカーが…

国立西洋美術館『ピカソとその時代/ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』に行ってきた

ART

ピカソとその時代/ベルリン国立ベルクグリューン美術館展 先週の土曜日は上野にある国立西洋美術館に『ピカソとその時代/ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』を観に行きました。そういえば国立西洋美術館、6月に『自然と人のダイアローグ展』を観に行…

さて禁煙1ヶ月目となったわけだが

Photo by Immo Wegmann on Unsplash 60歳の誕生日に書いたエントリにおいて禁煙宣言をしたオレであるが、とりあえず禁煙を初めて1ヶ月経ったのでそれを報告しようと思ったのである。 1ヶ月経ってみて体調がどうだ、というのははっきり言って分からない。な…

あのホームズがクトゥルフ神と対決!?『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』

シャーロック・ホームズとシャドウェルの影/ジェイムズ・ラヴグローヴ (著)、日暮 雅通 (訳) ある日突然H・P・ラヴクラフトが血縁であることを知らされた作家ラヴグローヴ。彼はラヴクラフトが保管していたジョン・ワトスン博士による秘められた原稿を託さ…

最近聴いたエレクトロニック・ミュージックなどなど

Lone Always Inside Your Head / Lone Always Inside Your Head アーティスト:Lone Various Amazon 名門R&S Recordsレーベルからリリースされた、ノッティンガム出身のプロデューサーLoneの5年ぶり8枚目のアルバム。女性ヴォーカルを多用した抒情的でドリー…

変わりゆく世界の中で決して変わらない想いを描く珠玉の名編/映画『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』

ダウントン・アビー/新たなる時代へ (監督:サイモン・カーティス 2022年イギリス・アメリカ映画) イギリス貴族の華麗なる生活を描くTVドラマ『ダウントン・アビー』 20世紀初頭のイギリスを舞台に、ダウントン・アビー城で暮らす貴族クローリー家とその…

韓国作家チャン・ガンミョンによる鮮烈なSF短編集『極めて私的な超能力』

極めて私的な超能力/チャン・ガンミョン (著)、吉良 佳奈江 (訳) 「自分には予知能力がある、あなたは私とは二度と会えない」手首に傷痕をもつ元カノは、いつか僕にそう言った―とある男女のふとした日常に不思議が射し込む表題作、第二次大戦後にユダヤ人自…

練馬区美術館『日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ―』展を観に行った

ART

三鷹にあるジブリ美術館に行った翌日は練馬にある練馬区美術館に行ってきました。ここで開催されている『日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ―』展を観に行ったんですね。それにしても前日に新宿経由で吉祥寺に行き、この日は池袋経由で練馬に行った…

井の頭自然文化園でおひとりさま動物園

前回・前々回とジブリ美術館の記事を書きましたが、そのジブリ美術館の帰りに井の頭自然文化園に行ったんですよね。 井の頭自然文化園は井の頭恩賜公園の一角にあるのですが、そもそもジブリ美術館自体も井の頭恩賜公園に位置していて、最寄り駅である吉祥寺…

三鷹の森ジブリ美術館企画展示『未来少年コナン』展にオレはもうメロメロだったッ!?

昨日の「三鷹の森ジブリ美術館に行ってきた」の続きとなります。 さて、オレをここまで燃え上がらせた『未来少年コナン』というのはなにか?それは1978年にNHKで毎週火曜日19時30分から30分放送枠で放送された全26話のTVアニメ作品で、宮崎駿の実質的な監督…

三鷹の森ジブリ美術館に行ってきた

三鷹の森ジブリ美術館に行ってきた この間の金曜日は会社に最期の夏休みを貰って三鷹の森ジブリ美術館に行ってきました。 実はジブリ美術館に行くのは初めてなんですよ。大昔はなかなか取れないチケットを取ろうとジタバタしていましたが、あまりに取れなさ…

「マーダーボット・ダイアリー」シリーズ最新作『逃亡テレメトリー』を読んだ

逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー/マーサ・ウェルズ (著)、中原 尚哉 (訳) かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されていた人型警備ユニットの“弊機”。紆余曲折のすえプリザベーション連合に落ち着いた弊機は、ステーション内で何者…

最近読んだコミックあれこれ

雨と君と(4) /二階堂 幸 雨と君と(4) (ヤングマガジンコミックス) 作者:二階堂幸 講談社 Amazon 雨の日に拾ったタヌキとどことなく気だるげな女子との心安らぐ日々。二階堂幸の『雨と君と』は凡百の動物漫画と一線を画す、静謐と孤独とが世界を覆う物語…

山野一の出産・育児コミック『大難産』がとても面白かった

大難産/山野 一 鬼畜漫画家・山野一が双子を授かって子育てに奮闘する様子を描いたコミック『そせじ』(そせじ=双生児の意味だろう)は山野一の漫画家人生を刷新する名著だったと思う。『そせじ』は電子出版のみで現在4巻まで描かれている。 この『大難産…

SOMPO美術館『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』を観に行った

ART

印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展 この間の3連休初日は新宿にある「SOMPO美術館」に『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』を観に行っていました。SOMPO美術館はあのゴッホの名作『ひまわり』を所蔵してい…