2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

パゾリーニの『アポロンの地獄』を観た

■アポロンの地獄 (監督:ピエロ・パオロ・パゾリーニ 1967年イタリア・モロッコ映画) 「パゾリーニってなんだか怖い映画監督だから、映画に興味持ったり近づいたりしない方がいいな」と思ったのは随分昔、中学生頃の事である。当時から映画好きだったオレ…

椎名誠『おなかがすいたハラペコだ。』と『おなかがすいたハラペコだ。②―おかわりもういっぱい』を読んだ

■おなかがすいたハラペコだ。/椎名誠 ■おなかがすいたハラペコだ。②―おかわりもういっぱい/椎名誠 例によって取っ付きにくいハードカバー小説を読み疲労してしまったので、口直しという事で軽めの読み物を読むことにした。オレにとって軽めの読み物と言っ…

心の鎧/映画『ロケットマン』

■ロケットマン (監督:デクスター・フレッチャー 2019年イギリス・アメリカ映画) イギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンについては格別な思い入れがる。それはオレが一番最初に体験し熱狂したロックンロール・ミュージックが彼の曲だった…

フェリーニの『サテリコン』を観た

■サテリコン (監督:フェデリコ・フェリーニ 1969年イタリア・フランス映画) イタリア生まれの世界的な映画監督、フェデリコ・フェリーニには特に思い入れがあったりするわけではない。まず代表作である『道』を観ていない。同じく代表作である『甘い生活…

ウラジーミル・ソローキンの『テルリア』を読んだ

■テルリア/ウラジーミル・ソローキン 21世紀中葉、世界は分裂し、“新しい中世”が到来する。怪物ソローキンによる予言的書物。“タリバン”襲来後、世界の大国は消滅し、数十もの小国に分裂する。そこに現れたのは、巨人や小人、獣の頭を持つ人間が生活する新…

21人vs1万人の戦い/映画『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』

KESARI/ケサリ 21人の勇者たち (監督:アヌラーク・シン 2019年インド映画) 19世紀末、当時の英領インドとアフガニスタンの国境にあったサラガリ砦は通信中継地点として21人のインド人シク教徒が駐留しているのみの小さな砦だった。しかし、列強支配を快…

インド映画『シークレット・スーパースター』を観た

シークレット・スーパースター (監督:アドベイト・チャンダン 2017年インド映画) インド映画『シークレット・スーパースター』はシンガーになる夢を持つ少女とその夢を阻む暴力的な父親との確執を描く人間ドラマだ。粗筋はこんな感じ: インド最大の音楽…

僕と怪獣と屋上で

母の葬儀の後、弟と一緒に遺品整理をしていた。2015年の冬の事だ。その時出てきたのがこれらの写真だった。子供時代のオレが、着ぐるみの怪獣たちと一緒に映っている写真だ。中央の、熊の絵の鉢巻きをして、不安そうな顔で明後日の方角を観ているのが子供の…

今度は中生代だッ!/『リアルサイズ古生物図鑑 中生代編』

■リアルサイズ古生物図鑑 中生代編/土屋健 大昔の地球には今は絶滅して見る事の出来ない膨大な種類の生物が生きていましたが、それらの大きさってどんなものだったんでしょうか。それらを図鑑で見るときに、10センチだとか1メートルだとか10メートルだとか…

ハゲ3-ハゲ1=ハゲ2/映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』

■ワイルド・スピード/スーパーコンボ (監督:デヴィッド・リーチ 2019年アメリカ映画) 銃と筋肉とエンジンがブンブン唸りまくる大人気シリーズ『ワイルド・スピード』のスピンアウト作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が公開されたので早速観に行っ…

未来のパリ、過去のパリ/バンドデシネ『パリ再訪』

■パリ再訪/フランソワ・スクイテン、ブノワ・ペータース フランソワ・スクイテン+ブノワ・ペータースによる大著『闇の国々』全4巻の刊行は日本のバンドデシネ出版において画期的な出来事だったのではないかと思う。あのデカい・厚い・重い・(価格が)高い…