2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

最近読んだ本〜『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』『破壊された男』

■とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選 とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選作者: ジョイス・キャロル・オーツ,栩木玲子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/02/15…

スシ・オア・デッド!コミック『GET JIRO!』はスシ職人版『仁義なき戦い』だッ!?

■GET JIRO! / アンソニー・ボーデイン スシ・オア・デッド!スシの食い方知らねえヤツぁぶっ殺す!そこは近未来のロサンゼルス!この世界で全ての娯楽の頂点に立つのは【食】であり、それを生み出すレストランシェフこそが真の街の支配者だった!?そして今…

どうなっとんジャー!宇宙で目覚めちまったんジャー!〜映画『パッセンジャー』

■パッセンジャー (監督:モルテン・ティルドゥム 2016年アメリカ映画) 「どうなっとんジャー!宇宙で目覚めちまったんジャー!」というSF映画『パッセンジャー』でございます。エンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ロー…

映画『アサシンクリード』は「エヴァンゲリオン」だった?

■アサシンクリード (監督:ジャスティン・カーゼル 2016年アメリカ映画) 映画『アサシンクリード』はSF的な設定で展開する現代と、テンプル騎士団とアサシン教団とが対立するルネサンス期のスペインの二つの時代を行き来して描かれる物語だ。 現代。死刑囚…

引っ越し日記序章:『トリプルX 再起動』でオレも映画館再起動した

■トリプルX 再起動 (監督:D・J・カルーソ 2017年アメリカ映画) まあ映画の感想とかそういうのではなく、「2か月半ぶりに映画館で映画観た」という話である。だから「映画館再起動」というわけなのである。 今年の元旦に『バイオハザード ザ・ファイナル』…

【ラージ・カプール監督週間】まとめ

というわけで10回に渡ってお送りした【ラージ・カプール監督週間】いかがだったでしょうか。レビューの掲載順は映画の公開順にしなかったため、ここでレビューのリンクを映画公開順に並べて貼っておきます。 ・Aag (1948) ・Barsaat (1949) ・Awaara (1…

聖なるガンジスと神話、エロティシズムと暴力〜映画『Ram Teri Ganga Maili』【ラージ・カプール監督週間】

■Ram Teri Ganga Maili (監督:ラージ・カプール 1985年インド映画) ■聖なる河ガンジスを題に採った作品 ガンジス河はヒンドゥー教徒にとって聖なる河である。このガンジス河=ガンガーを題に採って物語られるのが1985年に公開されたラージ・カプール最後の…

失われたミューズを追い続けるラージ・カプール初監督作〜映画『Aag』【ラージ・カプール監督週間】

■Aag (監督:ラージ・カプール 1948年インド映画) ■顏の焼けただれた男 それは新婚初夜のことである。ベッドの上で艶めかしく微笑みながら夫を待つ妻。寝室に夫が入ってきて妻に呼びかける。恥じらいに伏し目がちにしていた彼女はゆっくりと顔を上げる。だ…

対称的な二人の男の愛の結末〜映画『Barsaat』【ラージ・カプール監督週間】

■Barsaat (監督:ラージ・カプール 1949年インド映画) ラージ・カプール主演・監督作品として1949年に公開された映画『Barsaat』は処女作『Aag』(1948)に続く監督第2作目となる。共演はナルギス、プレム・ナス、ニンミ。二組の対称的なカップルの愛の行方…

大都会ボンベイで詐欺師になってしまった男の良心〜映画『Shree 420』【ラージ・カプール監督週間】

■Shree 420 (監督:ラージ・カプール 1955年インド映画) 大都会ボンベイ(現ムンバイ)への長い道のりをトコトコと歩く男がいた。彼の名は身なりは貧しいが表情はどこか明るく輝いている。きっと田舎から夢と仕事を求めてやってきたのだろう。彼は自分の心…

貧困と犯罪、格差とそれを乗り越えた愛を描く古典インド映画の名作『Awaara』【ラージ・カプール監督週間】

■Awaara (監督:ラージ・カプール 1951年インド映画) 映画『Awaara』は法廷の場面から始まる。ラジという男が裁判官ラグナスの殺人未遂容疑で逮捕されたのだ。女性弁護士リタはラグナスに問い詰める。「あなたにお子さんはいらっしゃらないんですか?」と…

顔に火傷跡がある娘とそれを知らずに恋をしてしまった男との恐るべき顛末〜映画『Satyam Shivam Sundaram』【ラージ・カプール監督週間】

■Satyam Shivam Sundaram (監督:ラージ・カプール 1978年インド映画) ■顔に大きな火傷跡がある娘 顔に大きな火傷の跡がある娘と、それを知らず彼女に恋をしてしまった男。1978年ラージ・カプール監督作『Satyam Shivam Sundaram』は、そんな奇妙で困難な…

道化師が回想する3人の女性との愛〜映画『Mera Naam Joker』【ラージ・カプール監督週間】

■Mera Naam Joker (監督:ラージ・カプール 1970年インド映画) ■1人の道化師と3人の女 別々の場所に住む3人の女性に小さな小包が届く。それには道化師の人形が包まれており、添えられた手紙には「私の最後のショウに招待します、来てくれるかい?私の名はジ…

「寡婦差別」というインドの因襲に立ち向かった男〜映画『Prem Rog』【ラージ・カプール監督週間】

■Prem Rog (監督:ラージ・カプール 1982年インド映画) I. 恋心を抱いていた幼馴染は人の妻となってしまった。しかし彼女はまもなく夫を亡くし未亡人になってしまう。主人公はそんな彼女の人生を立て直すためになんとか力になろうとする。リシ・カプール、…

友情と愛の板挟みになった三角関係のゆくえ〜映画『Sangam』【ラージ・カプール監督週間】

■Sangam (監督:ラージ・カプール 1964年インド映画) 1964年にインドで公開された映画『Sangam 』は男の子2人、女の子1人の幼馴染同士の3人が成長し、恋の三角関係となるが、そのうちの一人が軍務中に死亡と認定されて…というメロドラマだ。これだけの粗筋…

親の反対を押し切って愛を貫こうとする二人〜映画『Bobby』【ラージ・カプール監督週間】

■Bobby (監督:ラージ・カプール1973年インド映画) 資産家の息子と漁師の娘とが激しい恋に落ち、それぞれの両親の反対を押し切って愛を貫こうとする、というインド映画ではお馴染みのスタイルのラブ・ロマンス映画です。しかしこれ、1973年公開作とはいえ…

まるで不幸の絨毯爆撃みたいなインドのサスペンス映画『Kati Patang』

■Kati Patang (監督:シャクティ・サーマンタ 1971年インド映画) 「なんだこの不幸の絨毯爆撃みたいなオープニングは!?」1971年公開のインド映画『Kati Patang』を観始めたオレは愕然としたのである。『Kati Patang』はこんな具合に始まる映画だ。 ・主人…

内気青年の恋愛大作戦!?〜映画『Chhoti Si Baat』

■Chhoti Si Baat (監督:バス・チャタルジー 1975年インド映画) とっても内気な青年が素敵な女子に恋したけれど、どうしていいのか分からない!おまけにイケイケな恋敵まで現れてさあ大変!いったいどうしたら彼女を振り向かせられるんだ!?という1975年…