リー・ペリーの『The Complete UK Upsetter Singles Collection』、 Volume 1~4をコンプリート!

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■まだまだ続くリー・ペリー・フィーバー!

いやあ、オレにとって去年はホンット、レゲエ尽くし、リー・ペリー尽くしの年であった。じゃあ今年は?というとだな、なんとまだまだ「レゲエ尽くしリー・ペリー尽くし」が続行中なのだよ!

昨年のオレの「リー・ペリー・フィーバー」は主に「ブラックアーク期」と呼ばれる時期にリリースされたペリーさんの音源をとことん収集しまくる、というものだった。「ブラックアーク期」、それはペリーさんがノリにノッていた時期であり、レゲエ史にも残るペリーさんの最高の仕事ぶりが炸裂していた時期であり、狂いまくって銀河の彼方までレゲエのリズムを刻みまくっていた時期でもあった。多分この時期の重要なリー・ペリー音源は殆ど入手出来たと思う。

しかしこれで終わりにするのもちょっと寂しい。では「ブラックアーク期」以前はどうだったのだろう?こんな「プレ・ブラックアーク期」のペリーさんの活躍ぶりを代表する最高の音源のひとつがこの「Complete UK Upsetters Singles Collection」なのだ。

■100枚にのぼるシングルを網羅したコンピレーション 

68年、「People Funny Boy」の大ヒットにより一躍有名になったペリーさんは自身のレーベルUpsetterを立ち上げるが、TrojanレーベルがこれのUKリリースを請け負い、「UK Upsetter」というレーベル名シングルを発表、その数は100枚以上にのぼる。

そしてこのシングルを全て集めたコンピレーション が今回紹介する「Complete UK Upsetters Singles Collection」なのだ。それぞれCD2枚組でVol.1~4の4セットがリリースされており、その曲の総数はほぼ200曲(シングルはA面B面あるからね)!

しかしここで大きな障害が立ちはだかる。実は既に全アルバムが廃盤となっており、現在市場で売買されているのはびっくりするほど高額なプレミア価格を付けられたレア盤扱いのCDばかりなのである。1万円前後の価格が付けられたアルバムを見るにつけ「こりゃ無理だろ……」とため息をついていたのである。ハァー……。

しかし根気良く待っていると、意外と価格の落ち着いた中古品がポッと出ることがあり、そういうのを狙って1セットづつ地道に揃えていった。

■そこに落とし穴が!?

しかしだ。順調に揃えていったコレクションだが、「Volume.2」だけがなかなか値段が下がらない。これは探し方が悪いのかと思い、今度は海外のアマゾンまで行って探してみた。そうすると、まあギリ買えない事も無い価格の出物があった。で、注文したんだが、これが届いてみると、なんと記録面が傷だらけであり、再生してみるとやはり音飛びだらけではないか!?こんなのアリかよ!?

「カスを掴まされた……」。オレの落胆は甚だしいものだった。ここで鬼神の如くブチ切れたオレはもはや値段のことも省みず高額だった他の「Volume.2」を電光石火で購入!「やってやったぜ……」心も財政状況も傷だらけになりながらオレはリベンジを果たしたのである。

そして数日後。ふとアマゾンを彷徨っていると、「Volume.2」のお手頃価格の出品が……その差額6000円。「やったつもりがやっぱりやられた……」こうしてオレは床に突っ伏しさめざめと涙を流したのである。

■非常に完成度の高いコンピレーション

閑話休題。こうしてコンプリートした「Complete UK Upsetters Singles Collection」だが、全体を通して言えるのは、まずやはり、収録楽曲のクオリティがどれもとんでもなく高い、ということだろう。年代が年代なんで、スカ~ロックステディ~レゲエの過渡期的な音源が結構含まれるが、どれもとことん楽しい。なにしろどの音源もシングル曲なのでキャッチーさを目指したご機嫌な曲ばかりなのだ。

また、「UK Upsetters」のシングル曲のみなので、アルバム全体のトーンに統一感があり、ある意味傑作と謳われるペリーのどのコンピレーション・アルバムよりも聴きやすく、曲それぞれに好き嫌いが発生し難いのだ。大量の曲は流し聴きも可能だが、ふと気付いたときに発見があり、いつまで聴いても飽きることが無い。これはとても凄いことだ。

それと、音質がとてもいい。別にリマスターしてあるとかそういうのではないが、UK原盤の保存状態が非常に良かったのではないかと思われるのだ。リー・ペリーほどの古いアーチストになると、原盤が紛失し「盤おこし」と言ってレコード盤からCD化されたような音源やアルバムが存在するのだ。これはどうしたって音質が悪く下手すると針飛びやノイズ音まで入っている。CDなのに。それが皆無でかつクリアな音で聴けるこのコンピはそれだけでも貴重だ。

ルーツ・レゲエの登場はレゲエを世界へと飛翔させたが、同時にルーツに拘る硬直さも生み出してしまった。しかしここで聴くことの出来るペリーとアップセッターズの楽曲の数々は、まだまだ自由で弾けるようなリズムに溢れたポピュラー・ミュージックとしてのジャマイカン・サウンドである。時代を超えて輝く素晴らしいリー・ペリー&アップセッターの楽曲の数々。高額出品もあるのだが、もし聴くのであれば是非全巻コンプリートすることをお薦めする。少なくともオレにとっては一生モノだ。 

 

■The Complete UK Upsetter Singles Collection Volume 1

The Complete U.K. Upsetter...

The Complete U.K. Upsetter...

 


The Upsetters - Man From M.I.5 (1969) Upsetter 310 A

■The Complete UK Upsetter Singles Collection Volume 2

The Complete U.K. Upsetter

The Complete U.K. Upsetter

 


let it be - The Soulettes

■The Complete UK Upsetter Singles Collection Volume 3

Vol. 3-Complete UK Upsetters Singles Collection

Vol. 3-Complete UK Upsetters Singles Collection

 


The Stingers - Give me Power

■The Complete UK Upsetter Singles Collection Volume 4

Complete UK Upsetters Singles Collection 4

Complete UK Upsetters Singles Collection 4

 


Bob Marley and The Wailers - African Herbsman