スティーブ・シャピロによるデヴィッド・ボウイ写真集

■Bowie / Steve Schapiro

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10代の頃からこの年になるまで、長年に渡ってデヴィッド・ボウイのファンだった。2016年になったばかりのある日、この世を去ってしまったボウイだが、オレの部屋には今でもボウイのLPジャケットが何枚も飾ってある。

そんなボウイの写真集が彼の死と同時期に発売されていたのらしい。タイトルは簡素に『Bowie』、カメラマンはあのスティーブ・シャピロ。彼の名前はついこの間映画『タクシー・ドライバー』のカメラマンとして紹介した覚えがある。

ボウイの死と同時期に発売された写真集、というとなにやら因縁めくが、ボウイ存命中に企画された写真集であり、カメラマンのシャピロもボウイの突然の死に呆然としたという。

そしてその内容はというと、70年代中盤、ボウイが最も脂の乗り切っていた時期に行われたフォト・セッションを元にしたものなのだ。70年代中期のボウイ、というとアルバム『ダイヤモンドの犬』『ヤング・アメリカン』『ステイション・トゥ・ステイション』の時期ということになる。実際見たことのある写真も多いのだが、こうしてまとめられてみると逆に、あの写真もこの写真も全部このカメラマンの手になるものだったのか!?と驚愕させられる。

写真の多くはこれまで雑誌の表紙等で使われたが、ボウイのアルバム・ジャケットもこのシャピロが撮影したものだったのらしい。『ステイション・トゥ・ステイション』、『ロウ』がそれに当たるが、『ステイション・トゥ・ステイション』CD裏ジャケットに使用された斜め線のペイントが施された衣装の写真も彼のものだ。この「斜め線ペイントの衣装」は実はボウイ最後のアルバム『ブラック・スター』の収録曲『ラザルス』のPVでも着られている。

ボウイ70年代中期と言えばある意味ボウイが最も美しく輝いていた時期だった。もちろんそれはヴィジュアル的に、という意味で、「痩せ細った白人公爵」であった当時のボウイは薬物の過剰摂取で痩せ細り、あたかも幽鬼の様な表情を浮かべていた。ボウイのこの世のものではないようなあの美しさ、というのは実は現世と常世の中間にいた者だけが見せる鬼気迫る美だったのかもしれない。 そんな時代のボウイを切り取った写真集という意味において、ボウイファン必携の1冊であることは間違いない。

以下に出版元のホームページリンクを貼っておく。このブログに載せた写真はここからのものである。f:id:globalhead:20180814185036j:plain

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Bowie

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