それはロシアだったッ!?


先日は相方さんのお誕生日会ということで銀座へロシア料理を食べに行ったのである。
とはいえ、相方さんの誕生日は実は6月で、1ヶ月以上後の誕生日会だった。6月のこの時期は相方さんが仕事で多忙を極め、それどころではなかったが故の一足遅い誕生日会だったのである。なにはともあれ今は仕事が落ち着いている。
さて、今回なんでロシア料理?ということなのだが。相方さんの誕生日の近付いてきたある日、オレが最近微妙にロシア絡みのものにハマっていることを話したのだ。それは映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』と『ユーリー・ノルシュテイン作品集』のブルーレイが丁度この頃発売され、オレがそれを買って観ていたことと、先日紹介したロシア系アメリカ人作家による短編小説集『五月の雪』を読んでいた、ということであった。
で、その話の流れで「そういや今度の誕生日何食べたい?」と聞いたら「じゃあロシア料理」ということになったわけである。要するにまあ、深い理由はないという事である。しかし後で調べたら今年はロシア革命100周年記念の年だというではないか。きしくもオレと相方さんは相方さんの誕生日と同時にロシア革命まで一緒に祝うことになったという訳である。まあオレら別にロシア共産党とは何の関わりも無いんだけどね……。
さてロシア料理かあ、と思いネットで調べてここがいいじゃろ、と決めたお店は「Russian Restaurant ROGOVSKI(ロゴスキー)」。銀座にあるお店である(HPはこちら)。早速予約し当日は映画を観ての帰りに寄った。静かで綺麗で落ち着いた雰囲気のお店で、いやが上にも期待は高まる。料理はコースで予約済みだが、さて飲み物はということになり、オレはかねてから目を付けていた​その名も「アブラウ・ドゥルソ・アレクサンドル II」、"皇帝とその家族しか飲むことが許されなかった"というスパークリングワインを注文したのである。なぜならオレはネットのほんの一部で「銀河暗黒皇帝」とかいうこっぱずかしい名で通っていたりするので、「やはり皇帝なら皇帝のスパークリングワインを飲まにゃあかんじゃろワハハ」と思ったわけである(ホントかよ)。

そしてこのスパークリングワインが、……いやあしみじみ美味かった。コルクを抜いた瞬間から漂う馥郁たる香りからして既にタタモノではなかった。相方さんの誕生日会という事で奮発してよかった。こんなお酒そうそう飲めません。高くて(涙)。
料理のメニューや写真は相方さんがそのうち自分のブログで載せるだろうから(載せなくてもいいけど)特に省くが、今回のコースには【キャビア様】がいらしたことをここに特記しておかねばなるまい。そう、魚卵の王者、魚卵の皇帝であるあの【キャビア様】である。北海道生まれでありタラコ・スジコ・トビッコ(トビウオの卵のことです)と名だたる魚卵を幼少の頃から食べ尽くしてきたこのオレにとって、【キャビア様】は一生に一度対決しなければならない宿敵が如き魚卵なのである(要するに今まで食ったことが無かった)。という訳で晴れてこの日、【宿命の対決:キャビア様vsオレ】の戦いが幕を切って落とされたという訳である。その【キャビア様】はこのような形で供されることになった。

そしてその戦いの結果は……ええとあのう、緊張と激高のせいで味がよく分かりませんでした……。相方さんには「北海道生まれなんだから魚卵ごときでビビっちゃダメだよ!」と笑われちゃいました……。そしてこの【宿命の対決:キャビア様vsオレ】、リベンジマッチは、多分もうない……(こんなのたまにであろうと食べられるような生活してません)。
さて料理が次々に出されスパークリングワインもあらかた飲み終えて次は赤ワインでも飲もうかという段になり、実の所オレも相方さんもワインなんて全然分からないからお店の方にお勧めを聞いて注文することにしたのである。ワインの名前は「​トヴィルビーノ・サペラヴィ」、ジョージアグルジア)・ワインだという。

で、説明を聞いてなんとびっくり、このジョージアグルジア)というのはワイン発祥の地であり、その歴史は8000年前に遡るのだという。8000年ですよ8000年。800年じゃないんっすよ。紀元前6000年前ってことですよ。調べたら古代メソポタミア時代の先住民シュメール人が遺したワイン製造の痕跡があるのらしい。それが紀元前6000年前。まあ確かにワインの歴史は古いのだろうけど、その発祥となる地のワインを飲めたのは面白かった。この話題で相方さんと大いに盛り上がりました。
そんなわけで料理もお酒もたっぷり堪能し、相方さんもたいそう満足してくれたみたいで、この日は二人銀座の街を千鳥足で帰ったのでありました。