髑髏島のキングコングはギンギンのエレキに乗ってガンガンに登場する!?〜映画『キングコング:髑髏島の巨神』

キングコング:髑髏島の巨神 (監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ 2017年アメリカ映画)


キングコングである。髑髏島の巨神である。メリアン・C・クーパー監督にる1933年の映画『キング・コング』(こちらの版は名前に中グロが入るのがポイント)以来何度か映画化されてきたモンスター映画の最新リメイクである。で、最初に書いとくが、……いやー面白かった!!
もう「面白かった」だけ書いて終わらせたいぐらいしみじみと面白かった映画だが、それではブログにならないのであとは思いついたことを適当に書き散らかしておく。
実は「コング」の再映画化と聞いて「今更かよ」ぐらいのことしか思ってなかった。のちのちゴジラと戦わせる構想であることを知っても「またかよ」しか思わなかった。
特にキングコングには思い入れがない。1933年版は観ていないけれども『キングコング対ゴジラ』(1962)にしてもジョン・ギラーミン版『キングコング』(1976)もピーター・ジャクソン版『キング・コング』(2005)も「へぇー」と思って観た程度で特別"キングコング"というモンスターに愛着があるわけでもない。
なんかこう、「要するにでっかいエテ公だろ?」ぐらいにしか思えないのである。『ウルトラQ』の巨大猿ゴローとどう違うのよ、と思っていたのである(とはいえゴローは『キングコング対ゴジラ』の着ぐるみの流用らしい)。
しかーし!この『髑髏島』は違うのよ!確かに見た目はドデカイ猿なんだけれども、なんかこう荒ぶる神みたいに獰猛かつ神々しいのよ!ストーリーでも実際そういう扱いだったが、「単にデカイ猿」以上の超自然的なものを醸し出してるのよ。だからこそ堂々と「モンスター」なわけなのよ。
で、このコングが、映画始まってそうそうガンガン出てきやがるのさ!『ジョーズ』やギャレゴジみたいに気を持たせつつ徐々に姿を現したりなんかしないんだよ!「自分らコング映画観に来よったんやろ!思いっきり観しちゃるわ!とことん観るとええねん!(適当な関西弁)」てな感じで出し惜しみしないんである。まずここがいい!
いやしかしコングだけなら飽きてしまうかもしれない。そこを「コングだけちゃいまっせ!おぜぜ貰った分ぎょうさんサービスしたるわ!(適当な関西弁)」とばかりに奇っ怪な巨大怪獣が総出演なのですよ!もう『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』と『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』が合体して1本の映画になってしまったような状態になってるわけなんですよ!
いやー、怪獣って、本当にいいもんですね……(しみじみ)。
さらにこの『髑髏島』を単なるモンスター映画にしていないのは背景にベトナム戦争を持ってきたところだろう。時代設定もベトナム戦争終結直後だが、この『髑髏島』がもう一つのベトナムであることは観た人誰もが分かることだろう。
でね、よかったのが、ベトナム戦争映画によく流れてくる70年代ロックがね、この『髑髏島』でもギンギンに流れまくって来やがるところなんですよ!そしてこれがおもきしズッパマリな上メッチャカッコイイのよ!!
これもみんな思ったと思うけど、地獄の黙示録』みたいなサイケデリックに狂った雰囲気がガンガンにするのね!
そう、この『髑髏島』、モンスター映画であると同時にロックな映画でもあるんですよ!こんなにエレキギターの似合うモンスター映画なんて今まで観たことなかったわ!今回はなかったけど、次作ではジミヘンの『パープルヘイズ』に乗ってノッシノッシと登場するコングの姿を見てみたいね!
それとちょっとひとつだけ思ったのが島の原住民のことなんだけど、いかにも東洋人しているんだよね。映画テーマがベトナム戦争絡みだからってことなんだろうけど南海といったらどっちかっていいうとポリネシア系じゃないかと思うじゃない。でもそこが東洋系だってことは、太古に南海に人種の流入があああってこうあって……いやこれもまたミッシングリンクのひとつのなのか?とか変なこと想像しちゃったね。
というわけで最高にギンギンでガンガンだったキングコング:髑髏島の巨神』でありましたッ!!

キング・コング THE RKO COLLECTION [Blu-ray]

キング・コング THE RKO COLLECTION [Blu-ray]