カンフーでヨガでインディー・ジョーンズ!?~映画『カンフー・ヨガ』

■カンフー・ヨガ (監督:スタンリー・トン 2017年中国・インド映画)

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中国4000年の歴史・カンフーとインド6000年の歴史・ヨガが合体したッ!?両方合わせて1万年ッ!?というアクション映画『カンフー・ヨガ』でございます。

主演は誰もが知るカンフースター、ジャッキー・チェン。しかし映画を観始めてふと気付きましたが、オレ、ジャッキー・チェンの映画を劇場で観るの、初めてかもしれない!?そもそもこれまでの人生でジャッキー映画を殆ど観ていない!?むしろ、今回悪役で出演しているインド俳優ソーヌー・スードが出てるインド映画のほうが沢山観てる!?

世の中には「『天井桟敷』と『ポチョムキン』も観ていないのに映画語るなよ?」みたいなシネフィルな方もいらっしゃるようですが、オレの場合「ジャッキー映画も観て無いのにカンフー映画やアクション映画のことは語れないよね?」と言われても返す言葉もございません(まあ語るつもりもないけど)。

そんなわけでジャッキー映画を殆ど観ていないオレがなんで今回この『カンフー・ヨガ』を観たかと申しますと、そりゃもうアナタ、予告編のインドテイストに「うおおおインドだインドだ!インドが出て来る映画は観なきゃダメなんだッ!?」と激しく舞い上がったからなのでございます。世に言う【インド脳】というヤツでございます。

お話は中国に住む考古学者ジャック(ジャッキー・チェン)がインドの考古学者アミスタ(ディシャ・パタニ)から太古に失われたインドの財宝探しを持ちかけられ、中国・ドバイ・インドと大冒険を繰り広げるというもの。しかしそんなジャック一行にインドの大富豪ランドル(ソーヌー・スード)が財宝を奪おうと迫りくるのです!

いやそれにしても冒頭、財宝の来歴を描く古代インドの戦争の描写が既にして『バーフバリ』していて驚きましたね!太古に繰り広げられた架空のインド大戦を描くインド映画『バーフバリ』は2部作になっており、第1部『バーフバリ 伝説誕生』に続く第2部『バーフバリ 王の凱旋』は12月29日から日本公開されますのでもんの凄く面白いからみんな是非観てくれよ!!

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あ、『カンフー・ヨガ』でしたね。財宝探しに出向くジャック一行でありますが、これがもう既にして『インディ・ジョーンズ』なんですな。中盤からの展開もあんまり『インディ』してるもんですからわざわざ映画の中で「『インディ・ジョーンズ』みたい」なんて言ってるぐらいです。しかしむしろ「『インディ』によく似た『ロマンシング・ストーン』」ぐらいのつもりでこの映画を観ればいいのだと思います。

とはいえ、「『インディ』ぽい」とは言いつつ、謎解きやら財宝発見やらは「こんなに簡単でイイの?」と思っちゃうほどポンポン進んでしまいます。実はその辺は主眼じゃなくて、その後の財宝を巡る大奪還劇とそれに伴うアクションの面白さがこの作品の見所です。そして遂に明らかになる歴史の陰に隠されたあるものの全貌へと物語は大いに盛り上がってゆく訳ですな。

正直シナリオはご都合主義だし矛盾も多いのですが、そんなことよりも世界を股に掛けた大冒険のロケーションの楽しさと、敵味方分かれてのカンフーアクションの痛快さにとことん特化して作られた作品だと感じました。そしてもちろんジャッキー・チェンのスター性、そしてそのコミカルな味わいを徹底的に楽しむ作品だと言うことが出来るでしょう。ヤヤコシイお話などまるでなく、老若男女誰もがとことん安心して観られる娯楽作という事です。

インド俳優が多数出演してインドも一部舞台となる作品ではありますが、当たり前っちゃあ当たり前なんですが基本的にはやはり中国/香港映画の味わいが勝る作品ではありましたね。そんな中、日本じゃ『ダバング 大胆不敵』の公開作があるソーヌー・スード兄いは黒光りしたインドテイストをギンギンにばら撒いてたし、女優のディシャ・パタニもいい具合にインド美女ぶりをアピールしてましたね。このディシャ・パタニ、実は大ヒットしたインド映画『M.S.ドーニー ~語られざる物語~』にも出演されてまして、おまけに次回作はあのタイガー・シュロフ主演の『Baaghi 2』だっていうじゃありませんか!?映画には歌と踊りのシーンもありますし、そんな部分でインド映画ファンにも嬉しい『カンフー・ヨガ』でありましたよ。

↓お美しいディシャ・パタニ様

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映画『カンフー・ヨガ』 本予告