『トランスフォーマー/最後の騎士王』はしっかりSFしたヴィジュアルが好印象だった!!

トランスフォーマー/最後の騎士王 (監督:マイケル・ベイ 2017年アメリカ映画)


ロボットアクション映画『トランスフォーマー』シリーズが好きかと言われると、一時期までは微妙だった。1作目は高速かつ精緻に描かれるロボットたちの変形ぶりに度肝を抜かれた。これはスゲエ!と拍手喝采だった。だが2作目3作目とくると、監督マイケル・ベイの大味さとたいした変わり映えのしない物語展開に次第に辟易してきた。こりゃもういいかな、と思った。だから4作目は劇場じゃなくレンタルソフトで観た。惰性のつもりだった。しかし、あにはからんや、この4作目が個人的に大ヒットだったのである。うわあこりゃ劇場で観るべきだった!と悔やんでも後の祭りである。

4作目の何が良かったか?というとこれまでごちゃごちゃ盛り込み過ぎだった展開がすっきり整理されて見えたのだ。舞台を香港に移したせいでロケーションが新鮮だったのもある。同時にこれまでしゃしゃり出過ぎだったアメリカ軍の姿が目立たなかったというのもある。主人公をマーク・ウォルバーグに変えての心機一転、というのもよかったと思う。オレのブログで書いたトランスフォーマーの感想文は以下となる。 

トランスフォーマー (監督:マイケル・ベイ 2007年 アメリカ映画)
トランスフォーマー/リベンジ (監督:マイケル・ベイ 2009年アメリカ映画)
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン (監督:マイケル・ベイ 2011年アメリカ映画)
トランスフォーマー/ロストエイジ (監督:マイケル・ベイ 2014年アメリカ映画)


というわけでこの5作目は満を持して劇場で、しかも公開初日初回を狙って観に行ったのだ。なんとわざわざこのために夏休みまで取ったんだよ!今年55になるおっさんなのに夏休みの楽しみがトランスフォーマ―かよ!なんだオレ、すっげえトランスフォーマーファンみたいじゃん!でも料金高いからIMAXじゃなくて通常版で観たことはナイショだ!後から「IMAXで観ときゃよかったッ!!」と臍を噛んだけどね!ちっきしょー!

さて今回の『最後の騎士王』、なんと「超ロボット生命体」の皆さんがアーサー王伝説に絡んでいたッ!?というトンデモなオープニングから始まるんだ!いやーここまでインチキの限りを尽くしてくれると逆に嬉しくなるね!で、前作で創造主を探しに故郷のサイバトロン星に行ったオプティマスプライムが、クインテッサとかいうヤツに洗脳され、地球を滅ぼしにやってきちゃうんだね!そのために必要なキーアイテムであるなんちゃらいう杖を巡り、善玉ロボット軍団オートボットと悪玉ディセプティコンがまたまた戦っちゃう!というお話なんだよ!

まあしかし「あるキーアイテムを巡って善と悪が戦う」というシナリオはこれまでと全く変わり映えしないものだからあんまり真剣に考えちゃダメなんだ!というかトランスフォーマーを真剣に見ちゃだめだし当然それはマイケル・ベイの映画を真剣に見ちゃダメだってことでもあるんだけどね!

そして今回の舞台はイギリスだ!何故なら物語のキーアイテムである杖というのが冒頭のアーサー王伝説に関わっているからなんだね。まあしかし、前作が香港で今回がイギリスっちゅうのは、目新しさを求めてと同時に、もうアメリカの街に壊すところが無くなってきたからんじゃないでしょうかね?でまあ、イギリスのあちこちでロケしていて、アンソニー・ホプキンスやローラ・ハドックといったイギリス俳優も脇に揃えてイギリスっぽさを醸し出そうとしてるんだけど、マイケル・ベイが撮るとアメリカでアメリカ人が右往左往しているようにしか見えない所がベイの業の深さだよな!"偽C3PO"の執事ロボの皮肉っぷりも、モンティパイソン的狂気を狙ったのかもしれないがどっちかっていうとサタデーナイトライブだったしな。

まあしかし、そんなあれらこれらに関しては「こまけえことはいいんだよッ!」というマイケル・ベイ節で乗り切ってしまえば無問題だ。やはり『トランスフォーマー』を観るならその銃撃と爆発と金属と金属のぶつかり合いを堪能できればいいんだ。とはいえ、アーサー王伝説を意識してかトランスフォーマー同士の剣による戦いが大幅にフィーチャーされてるように思えて凄い新鮮だったけど、実は今までも剣による戦いって普通にあったんだっけ?(スマン忘れてるんだ年寄りなんだ許してくれ)

今回最もヴィジュアル的に凄くて盛り上がったのは海底に沈んだ古い宇宙船でのバトルと地球に襲来したサイバトロン星の侵略方法だったな。クライマックスのあたりになっちゃうから詳しくは書かないけど、この辺のヴィジュアルって「ベイさんSFのこと分かってるよなー」と思わせるものがあって、あーやっぱりトランスフォーマーはSFだったんだよねー宇宙から来た機械生命体だしねーと実に惚れ惚れしちゃいましたよ。やっぱこれまでは米軍出しゃばり過ぎてなんだかミリタリー作品見せられてたみたいだったもの。

この後半でのビジュアルと、その特異なシチュエーションにおける戦闘の面白さが今回の『最後の騎士王』にオレがシビレタ理由なんですよ。なんとなく小バカにした書き方してきたけど、実際ベイってこういった冴えたビジュアルを生み出すのが本当に上手いよね。正直今作はこれまでの『トランスフォーマー』シリーズの中で物語展開もヴィジュアルの見せ方も一番きっちりまとまってるように思えて、一番好きな作品だったかもしれないな。

ところでこれまでの『トランスフォーマー』シリーズを牽引してきたのはロボット変形のCGIだけじゃなくヒロインのエロエロっぷりだったんだけど、今作ではヒロインであるローラ・ハドックを懸命にエロエロに撮ろうとしてるんだけど力及ばず、「あれ?本命はこっちじゃない?」と思ってしまったんだよ。ってェことは今年16歳のイザベラ・モナーがその役割?う~んオジサンにはちょっと低年齢過ぎて、条例が気になって仕方がない……(なんの条例だっちゅーの)。