■ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー (監督:ギャレス・エドワース 2016年アメリカ映画)
- スター・ウォーズ・シリーズ番外編『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』観てきました。オレは非常に楽しめました。
- さて今回はこれから観るという方も多い作品だと思われるのでネタバレ回避の為サクッとだけ書いておきます。
- 一応内容を紹介すると、SWサーガの『EP3』と『EP4』の中間に位置する物語で、『EP4』で帝国軍の強力な兵器として登場した「デス・スター」の設計図を巡る戦いを描いた作品となっています。
- いわゆる番外編となっており、SWの主要人物であるあんな人やこんな人は出てきませんが、出て来る人もいるかもしれないのでその辺はお楽しみということで。
- ところでオレ、新生SW作で『EP7』にあたる『フォースの覚醒』ってあんまり楽しめなかったんですよ。既視感が多過ぎて、少しも新鮮さを感じなかった。『SW』というアメリカのポップアイコンとも言えるデッカイ看板背負ってしかも絶対失敗許されずに新作作るのって大変だなあ、と観ていて変な部分で気を使ってしまった作品でした。
- しかしこの『ローグ・ワン』は番外編ってことでもうちょっと自由に作られているんじゃないかな、と思えて逆に期待値が高かったです。で、実際そういった部分に面白さを感じられた作品でした。
- まず世界を形作る様々なもののデザインが実に馴染んでいましたね。SW的なものもきちんと踏襲しつつ、そこから逸脱しない範囲で新しいデザインを作っていた。この「新しいデザイン」の、安心とハッとする部分のバランスがとてもよかった。
- その中でギャレス監督らしいのかな、と思えたのはどことなく暗めで武骨で荒涼とした雰囲気でしょうか。SWって意外と賑やかでカラフルな感じしません?でもこの違いがまた新鮮だった。
- ただそのせいか、武骨で地味目な登場人物たちに中盤まで魅力を感じられなかったのも確かです。実はマッツ・ミケルセンですら「別にこの人でなくてもよかったんじゃない?」と思えたぐらいだった。
- しかしそれは中盤から払拭されました。まずこの物語は「英雄でもなんでもない名も無き兵士たちの戦い」を描くものだからです。だから彼らが死地に赴き熾烈な戦いを開始した瞬間から一人一人のキャラクターが活き始めるんですね。
- この「熾烈な戦い」が想像を遥かに超えた凄まじいものだったんですよ!
- SWストーリーはいわゆる「スペースオペラ」を基軸としており、ある種の奇想天外さや胸のすく様な冒険を描いてきましたが、そこには「英雄譚」ならではのドラマと楽しさがありました。しかしこの『ローグ・ワン』が描くのは酸鼻を極める「戦争の悲惨」そのものです。なんて言うんでしょう、『アベンジャーズ』観に行ったらいきなり『ブラックホーク・ダウン』が始まったような感じなんですよ。
- ヒーローもフォースも無く、圧倒的な敵の物量とその破壊力とに対峙しなければならない絶望感、まさしく死を賭けてそれに戦いを挑もうとするなけなしの勇気、番外編でなければ決して描けなかったSWストーリーがここにはあります。その戦いは壮絶を極め、情け容赦ない描写が次々と続きます。
- そういった悲壮な物語展開が非常に胸に迫る作品でした。いやあ、ええもん観してもろうた!まさかSWでウルウルするとは思わなかったもんなあ。
- 劇場では結構泣いてるお客さんが多かったけど、オレの後ろの方は嗚咽我慢しすぎたらしく突然「ブベボ!」とむせてしまった時が今回のハイライトでしたね!
http://www.youtube.com/watch?v=aDgww2IICBs:movie:W620
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