高校時代の苛められっ子がガチムチ野郎に!?〜ドゥエイン・ジョンソン主演作品 『Central Intelligence』

■Central Intelligence (監督ローソン・マーシャル・サーバー 2016年アメリカ映画)


「そういえばオレ、英語苦手なくせに英語字幕のインド映画これだけ観れてんだから、日本未公開のハリウッド映画を英語字幕で観るの楽勝じゃね?」と思ったのである。それと、最近ツイッターで日本未公開作だけどこんな映画が面白い!というツイートをたまに見かけるのだ。という訳で何作か挑戦してみようと思い選んだ1作が2016年公開作の『Central Intelligence』。ドゥエイン・ジョンソンが主演しているので安心して観られそうだし、内容もお気楽なバディ・ムービーのようだ。予告編もなかなか楽しげだ。共演はケヴィン・ハート、監督は『ドッジボール 』(2004)、『なんちゃって家族』(2013)のローソン・マーシャル・サーバー 。
お話はというと高校時代に同級生だった二人が大人になってから再会し、ある理由からとんでもない大騒動に巻き込まれるというもの。主人公の一人カルヴィン(ケビン・ハート)は高校時代人気者だったが、社会にでてからはしがないサラリーマン生活を送る毎日。そんな彼に高校時代苛められっ子だったロビー(ドゥエイン・ジョンソン)がコンタクトを取ってくる。するとあってビックリ、あの頃肥満児だったロビーは筋肉隆々のマッスルマンになっているではないか!再会を喜んでいたのも束の間、突然乗り込んできたCIAエージェントと銃撃戦!いったいロビーは何者なのか!?というお話。
おおむね楽しめた。まずやはり目当てだったドゥエイン・ジョンソンがキュート。あんなガチムチをキュートというのも変だが、それを売りにした作品であるということもできる。ケビン・ハートはあまりよく知らないコメディ俳優だったがいい味出していたと思う(なにこの曖昧な書き方)。ただしいわゆる巻き込まれ型スパイ・スリラーとバディ・ムービーとハイスクール・コンプレックスをコメディで描いてみました、という作品なのだが、それぞれの要素は上手く噛み合っていないように感じた。
冒頭のCGで肥満体少年に描かれたロビー=ドゥエイン・ジョンソンの姿は実に可笑しかったが、それが20年後ガチムチになって……という設定がまるで上手く生かされていないのだ。確かに高校時代のトラウマを描く場面もあるが、現在ガチムチなだけでなくシークレット・エージェントでもある彼が、そんな過去など乗り越えていないとはまるで思えないのだ。また、オレの英語字幕読解力の無さもあるがCIAとロビーが何故こんなこじれた関係になるのかがよく理解できなかったし、そこにハイスクール・コンプレックスが絡む理由も希薄に思えた。とはいえドゥエイン・ジョンソンが大暴れしドゥエイン・ジョンソンがあたふたしながら笑いを生んでゆく様子を呆けっと眺めているのは楽しく、アクション・コメディとしてはまずまず及第点ということでいいんじゃないかな。