最近聴いたエレクトロニック・ミュージック

■Social Housing / Marquis Hawkes

SOCIAL HOUSING

SOCIAL HOUSING

ベルリンを拠点にするUK出身のハウス・プロデューサーMarquis Hawkesのデビュー・アルバムは、まず微妙にダサいアルバムアートワークが買いポイントだ。ハウスはダサいアートワークのものが意外と中身がカッコよかったりするが、これもドンピシャ、そんな1枚(このアートワーク、実はDJ T-1000ことAlan Oldhamが手掛けているらしい)。内容はシカゴハウス風味のドラムマシーンに80年代ファンク/R&Bのサンプルを重ねたサウンドだが、眩暈を起こさせるような幻惑的なループが実にクールであり現代的でもある。実にハウス的なのにベタベタにハウスではないのだ。これも最近お気に入りの1枚で今回またもや強力プッシュなアルバムだ。 《試聴》

■Topiary / Xeno & Oaklander

Topiary [12 inch Analog]

Topiary [12 inch Analog]

ブルックリンのシンセウェーヴ/ミニマルウェーヴ・デュオ Xeno & Oaklanderによる通算5作目になるアルバム。機械的なリズムにビリビリと響き渡るサイケデリックなシンセ・メロディ、それにアンニュイな女性ボーカルが乗る様は実にオールドスクールニューウェーヴ・サウンドだが、なんだかこれが一周回って面白い。ポップではあるがどこか剥き出しで、そんな部分にアンダーグラウンドな匂いがする。シンセウェーヴ系は得意ではないのだが、これはなぜか気にいってよく聴いている。 《試聴》

■Good Luck And Do Your Best / Gold Panda

Good Luck And Do Your Best [ライナーノーツ封入・日本先行リリース / 国内盤]

Good Luck And Do Your Best [ライナーノーツ封入・日本先行リリース / 国内盤]

イギリス・ロンドン出身のプロデューサーGold Pandaのニューアルバム『Good Luck And Do Your Best』は非常にカラフルで多彩な音に満ち溢れた豊かな完成度のアルバムだ。その音はノスタルジックであると同時にスイートで夢見るようであるし、明るくポジティブであると同時にどこかセンチメンタルなロマンチックさがある。優しく暖かい曲調は製作したGold Panda自身も気さくでイイ奴なんだろなあとすら思わせる。お勧めの好盤。 《試聴》

■Levitate / Lone

Levitate [帯解説・ボーナストラックDLコード付 / 国内仕様輸入盤CD] (BRRS1607)

Levitate [帯解説・ボーナストラックDLコード付 / 国内仕様輸入盤CD] (BRRS1607)

ジャングル/ドラムンベースは昔「それしか聴かない」というほど好きだったが、聴き過ぎたのか飽きてしまい、ここ数年はご無沙汰である。マンチェスターを拠点に活動するプロデューサーMatthew CutlerによるプロジェクトLoneがR&Sからリリースしたニューアルバム『Levitate』はそんなジャングル/ドラムンベース・サウンドから始まるのだが、これが思いのほかいい。適度にテクノなフィーリングが散りばめられているからだろうか。ガチガチのドラムンじゃないのだ。アルバム自体も後半からアンビエント〜ミドルテンポなテクノを交え決して一本調子じゃない。そして全体的に爽快感満載。夏に向けて聴きたい1枚じゃないか。 《試聴》

■When I Was 14 / AFX/Nina Kraviz/Bjarki/PTU

When I Was 14

When I Was 14

ロシア出身の女性プロディーサーNina Kravizが主催するレーベルTripからリリースされたコンピレーション・アルバム。なんといっても目玉はAFXの曲だが、これは1995年に製作されSOUNDCLOUDにアップロードしていたものらしい。全体的にソリッドかつオールドスクールな響きを感じさせる曲が多く、その虚飾の無さが生々しい音像へと繋がっている。そしてなにより、このヤル気の全く感じさせないアルバム・ジャケットがいい。なんなんだこれは。お勧め。 《試聴》

■Karachi Files / V.A.

Karachi Files

Karachi Files

「カラチ・ファイルズ」というアルバム・タイトルにムスリム風のおっさんが写ったジャケット、「おおお遂にイスラミック・テクノの時代がやってきたか…」と思ったが、実際はドイツ発のアルバムなのらしい。ベルリン在住のAndiとHannesのTeichmann兄弟による新興レーベル「Noland」の第一弾コンピレーションで、パキスタンモルディブ、ドイツ出身のミュージシャンによるプロジェクトなのだとか。まあパキスタン参加ということはカラチでは間違いない。とはいえイスラム神秘主義的な音とかそういうのではなく、普通によくできたテクノである。 《試聴》

■The Digging Remedy / Plaid

The Digging Remedy [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC517)

The Digging Remedy [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC517)

90年代初期から活動を続けるWarpの看板アーティストPlaidによる11枚目のアルバム。これだけ長くやっているなら1枚くらいアルバムを聴いているような気がするがあまり記憶がない。よく整理された音はさすがベテランだからだろうか、う〜んでも今ひとつ印象の薄いアルバムではあるなあ。 《試聴》

■Fabriclive 87: Groove Armada / Groove Armada/Various

FABRICLIVE 87: Groove Armada

FABRICLIVE 87: Groove Armada

Fabricliveの87はイギリスのテクノ・ユニットGroove Armada。Fabricliveにしては臭みの無いハウス中心の選曲かな。作業用である。 《試聴》