最近読んだコミックあれこれ

アイアムアヒーロー(20) / 花沢健吾

あれ、なんかこの間出たばっかりじゃないか?と思ったが、映画公開に合わせて新刊間に合わせたんだろうな、という『アイアムアヒーロー』第20巻。いや、文句じゃないです、全然嬉しいです。しかしこの20巻になってようやくあちこちに飛んでいたエピソードが一つに収束し、いよいよ物語は佳境を迎えようとしているように見えます。そろそろクライマックスなのか!?なのか!?どうするつもりなんでしょう。どうなっちゃうんでしょう。

アイアムアヒーロー 公式アンソロジーコミック: 8 TALES OF THE ZQN / 花沢健吾, 伊藤潤二, 水沢悦子, 石黒正数, 乃木坂太郎, オジロマコト, 横槍メンゴ, 鳥飼茜, 吉本浩二

これも映画公開に間に合わせたのだろうと思われる『アイアムアヒーロー』の公式アンソロジー。全部で8人の漫画家が思い思いのゾンビ・ストーリーを描いています。原作者である花沢健吾から「『アイアムアヒーロー』にこだわらず自由なゾンビ漫画を描いて欲しい」というお達しがあったらしく、確かに原作とあんまり関係ない作品もあるんですが、これはこれで楽しかったな。特に『ブラック・ジャック創作秘話』の吉本浩二氏による『アイアムアヒーロー誕生秘話』が面白かった。

いぬやしき(6) / 奥浩哉

惰性で買ってる『いぬやしき』、そんなに面白くないよなーと思いつつ読んでいましたが、この巻からワルモノ・獅子神クンが警察署を敵に回したターミネーターみたいな大殺戮劇を演じていて相当楽しめました。次は日本全てを敵に回すんだそうです。そしていよいよいぬやしきじいさんと一騎打ちになるのでありましょう。

いとしのムーコ(9) / みずしな孝之

いとしのムーコ(9) (イブニングKC)

いとしのムーコ(9) (イブニングKC)

柴犬のムーコと飼い主のこまつさんのラブリーな日々を描いたほのぼの動物コミック、相変わらずムーコ可愛いです。オレは柴犬に興味は無かったんですが、これ読み始めてからTwitterで柴犬Botをフォローし始めてしまいましたよ…柴犬いいっすねえ…。

エリア51(12) / 久 正人

エリア51 12 (BUNCH COMICS)

エリア51 12 (BUNCH COMICS)

前巻から引き続きアマテラスの命を狙う巨大な陰謀が描かれてゆきますが、なんとこれが神々同士の思わぬ大抗争へと発展し始めて度肝を抜かれました。で、これがまた過去のいろんな因縁がからんだりしていて一筋縄じゃ行かないんですよね。いやあ作者巧いなあ。

■食の軍師(5) / 泉昌之

食の軍師(5) (ニチブンコミックス)

食の軍師(5) (ニチブンコミックス)

この巻から「東京都内になる店限定で全国の郷土料理を制覇せよ!」というのがおっぱじまり、各都道府県の特色を打ち出した居酒屋が次々と攻め込まれて行っております。単なるグルメガイドになってない?なんて批判もあるようですが、「食の軍師」が各地を制圧してゆくというのはコンセプト的に間違ってないと思うけどな。それと、この巻でやっとトレンチコートの主人公がフリースタイルの呑みを展開しているのに対し宿敵・力石が王道のお勧めメニューを頼む、というスタイルになっていることに気が付きました、要するに作者なりに「単なるグルメガイド」にならないように外しているんですね。

ドリフターズ(5) / 平野耕太

邪悪なる敵「黒王」の進軍が遂に開始され、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされる。いやあここまで長かった。まあコレ、平野耕太がお気に入りの歴史上の人物をコマに使って「指輪物語」ごっこやっているという物語だったんだな。好き勝手に描いているように見えて意外とちゃんと計算されており、10巻ぐらいでサクッと大団円を迎えてくれるかもしれない。いや、最近のコミック長くてさあ……。

監獄学園(21) / 平本アキラ

裏・表生徒会最終決戦の騎馬戦が続いているんだが、引っ張るなあ。あと5巻ぐらい引っ張るつもりなんじゃないかなあ。でもこのコミックは刊行ペースが早いからいいや。次の22巻は8月5日金曜日発売だよ!(自分メモ)

プリニウス(4) / ヤマザキマリとり・みき

プリニウスは発表当初はかなり注目してたんだけど、話の展開が散漫過ぎて「これ失敗作じゃないかなあ」と思ってたんだよな。ところがこの4巻は面白い。きちんとプリニウスとネロの周辺に話が収束してきている。物語がどこへ進もうとしているのかが見えてきている。これ、作者同士の巻末対談読んで思ったんだけど、「当時のローマをあらん限り描写したい」と思っているヤマザキさんをようやくとり・みきが舵取り出来るようになって、エピソードの取捨選択をした結果ってことなんじゃないかな。進行がこれまでよりもとり・みき的だもの。

アオイホノオ(15) / 島本和彦

自作の漫画が雑誌に載ることになり夢に一歩近付いたホノオ君である。今巻ではDAICONメンバーの描写が減り代わりにホノオ君の新担当と漫画家新谷かおるのエピソードが挿入される。とはいえあだち充への尽きせぬ対抗心だけはどこまでもふつふつと燃えているのだ。それにしても本筋とは関係ないエピソードの入れ方が本当に上手い漫画だな。