秋の久正人祭り開催中

行楽の秋、食欲の秋、芸術の秋と秋にはいろんな楽しみがありますが、忘れちゃいけない久正人の秋!なんと久正人のコミック作品3作がこの秋にドドッ!!と発売されたのですよ!いやあオレも長年漫画を読み続けてきましたが、一人の漫画家の新作コミックが一度に3冊出されるなんて初めての体験ですね。これはもう今、久正人がキまくっている、ということの証拠ですね。知ってる方はとっくに読んでいるでしょうが、知らない方はこれを機会に読むがいいのだと思うのですよ。

ノブナガン (6) / 久正人

ノブナガン(6) (アース・スターコミックス)

ノブナガン(6) (アース・スターコミックス)

まずはノブナガン』第6巻。平凡な日本の女子高生・小椋しおが偉人の力を受け継いだ仲間と一緒に恐竜みたいな謎の生物「進化侵略体」と戦う、SFバトルアクション作品なんですが、なんと!今作で最終刊だというではないですか!?聞いてないよ!?滅亡か勝利かというぎりぎりの瀬戸際で戦うこの物語、いったいどうやって畳むんだ!?と思ってたら見事なエンディングを迎えていて感涙してしまいました。作者あとがきにも書かれていましたが、久正人の長編が打ち切りとかではなくちゃんと終わるのってこれが初めてなんで、作者の「終わらせ方の妙味」をしみじみと堪能させてもらいました。パチパチパチ。

エリア51 (11) / 久正人

エリア51  11 (BUNCH COMICS)

エリア51 11 (BUNCH COMICS)

お次はエリア51』第11巻。モンスターや神話の神など世界中の異形を集めて隔離した、アメリカ51番目の州「エリア51」で探偵業を営む真鯉徳子(通称「マッコイ」)の活躍を描いた作品なんですが、いやこれも11巻目とは長いですね。しかも全然アイディアが尽きないのが凄いですね。神々同士の戦いやエリア51消失の危機などスケールの大きな事件を幾つも経てきて、ここまで大風呂敷拡げたらインフレ起こさないか、とか思ったのは杞憂で、”伝説の異形存在”の個性を巧く生かしながら手を変え品を変え様々なエピソードを紡いでゆく手腕は、もうこのテの作品書かせたらこの人が1番だな、と思わされますね。

■ジャバウォッキ―1914 (1) / 久正人

ジャバウォッキー1914(1) (シリウスKC)

ジャバウォッキー1914(1) (シリウスKC)

そして最後に『ジャバウォッキ―1914』第1巻。あのジャバウォッキ―が装いも新たに帰ってきた!という新シリーズなんですが、物語は前作の主人公であったリリー・アプリコットの子供たちが主人公となり、またもや地球を奪い返そうと企む恐竜種族と戦う!といったお話なんですね。前作では19世紀末のサイバーパンクな世界観が魅力でしたが、今作では第1次世界大戦中の時代が舞台になっており、そういった世情のきな臭さも加味されているという訳なんですよ。一読して思ったのは、絵が相当整理されている、ということでしたね。久正人はもともと相当個性的な絵柄をしているんですが、アングルやコマ割りを弄り過ぎてときどき何描いてるんだか分かんないなんてことがあったんですが、この作品ではそれがすっきりまとめられて分かり易いんですよ。まあ作品の量産化によって簡略化せざるを得なくなった、という部分もあるかもしれませんが、逆にそれが功を奏しているんですよ。今後の展開が楽しみなシリーズですね!