消耗品軍団再々登場!新メンバーもいるぜ!〜映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション (監督:パトリック・ヒューズ 2014年アメリカ映画)


「あの消耗品軍団がみたび帰ってきたッ!?」という『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』です。シルベスター・スタローンさんを筆頭に、ジェイソン・ステイサム、アーノルド・シュワルツェネッガー、・・・ええと全部書いているときりがない人数のアクション・スターの皆々様が一同に会する【ムキムキ大量殺戮オヤジ大感謝祭】の3度目の開催というわけなんですな。今回の新たな出場者はメル・「マッドマックス」・ギブソン、ハリソン・「スター・ウォーズ」・フォード、アントニオ・「デスペラード」・バンデラス、ウェズリー・「脱税収監男」・スナイプス等々、さらに新機軸として若手俳優・スポーツ選手の大量雇用、といった目玉も用意されているわけなのでございますよ。

お話は例によって例の如しです。いつものように筋肉と火薬の匂いが3度の飯よりも好きな年寄り傭兵軍団の皆さんが三々五々連れ立ってなんだか恐ろしい敵をやっつけちゃう!というものです。今回の相手役はエクスペンダブルズの創立メンバーでありながら悪に身を落とした男・コンラッド・ストーンバンクス(メル・ギブソン)。しかしあまりの強敵ぶりに消耗品軍団団長バーニー・ロス(シルベスター・スタローン)は仲間たちを解雇、代わりに若くてピチピチした傭兵たちをリクルートし、決死の作戦に挑む!というわけなんですね。

いやあしかし今回は前回にも増して人多すぎ。ブルース・ウィリスみたいにいなくなった人もいますが、従来の消耗品軍団の増量と合わせ、さらに新人4人が参加です。よくこれだけの人数を揃え、しかもスター・新人分け隔てなくそれぞれに万遍なく見せ場を作っているわけですから、シナリオも編集もスケジュール調整も相当苦労したことでしょう。そういった細かな見せ場作りの為に、逆に人物背景などの掘り下げは全く無くなり、ただひたすらアクションの連続といった映画になってはいます。しかしキャラ背景は前作前々作でなんとなくやってるし、そもそもこの映画、「こんな俳優やあんな俳優が出てる!」ってことを楽しみにして観る「スター大喜利大会」でしょうから、観に行く方には問題ないでしょう。

今回の『3』では、監督自ら「前作みたいに俳優が棒立ちになって銃ぶっ放してるだけなのはヤダ」と言っている様に、それなりにアクションの見せ方は工夫されています。まああの「棒立ち連射」も馬鹿馬鹿しくて好きだったんですけどね。ただ「従来メンバーの活躍→解雇→新人傭兵のリクルート→新たな作戦実行」という流れは若干テンポを悪くしているかも。これ、冒頭に新人リクルートのシーンを持って来て、その後にこうなった経緯を回想する形にしたほうがよかったんじゃないのかな。そんな今回のニュー・カマーの中ではなんと言ってもアントニオ・バンデラスさんがその道化キャラのせいで目立つだけ目立ってましたね。ウェズリー・スナイプスさんは1作目からオファーがあった人だけに、旧メンバーとあっという間に溶け込んでいました。そしてハリソン・フォードさんは・・・いやあ、お爺ちゃんじゃんこれ・・・。それと『2』のチート・キャラ、チャック・ノリスさんの姿がないのはやはり寂しいし盛り上がりに影響しているような気がしました。

それにしても、もともとは「かつてのアクション・スターの夢よもう一度」と企画されたシリーズですから、大御所が揃い踏みで画面に登場しているだけでもう充分ともいえるシリーズなんですが、さらに欲張って若手新人も雇用、なーんて影には、意外と世代交代の目論見もあるのかもしれません。確かにスタローン(68歳)シュワルツェネッガー(67歳)だもんなあ・・・。最初はこの二人が並び立つ作品ってだけで楽しかったんですが、今はこの二人が顔を出すと「どっちも老けたなあ・・・大丈夫なのかなあ・・・」と逆に変な心配してしまいましたよ。かと言って新人だけの消耗品軍団とか言われても、先輩大スターと比べちゃうとどうしても華がないから、ちょっと難しいような気もしますね。そういえば女性だけのエクスペンダブルズなんて企画もあるようですが、これだったらまだ面白そうですけどね。