帰省 (その1)

10月20日から23日まで北海道の田舎に帰っていた。母が急病で入院・手術することになったのだ。それで会社に休みを貰って、20日の航空券を取り、実家に帰ることにした。状況は分からないが、取り敢えず23日までいて、帰ることにしていた。
通常の帰省ではなく、夏や冬の休みという訳でもなく、平日に実家に帰る、というのがどうにも非現実的だった。

実は、実家には10年以上帰っていない。10年ほど前には、祖母の葬式があったので、祖母の実家である函館で家族と会ったが、それっきりだった。

到着。ほんの少し雨が降っていた。弟に車で迎えに来てもらう。

そのまま病院に直行。母は手術後、薬で眠らされており、3、4日この状態だという。話しかけても聞こえはしないのだが、母に帰ってきたことを告げ、しばらく弟と二人付き添っていた。
家に着くと妹とその息子が出迎えてくれた。妹は結婚してから別の地方に住んでいたのだが、今回のことでやはり実家に帰ってきていた。兄弟3人で久方ぶりの再会を喜び合った。妹とも10年近く会ってなかったのだが、結構美人になっていたのでびっくりした。オレの甥っ子は元気いっぱいだった。妹親子は明日帰るという。この日は妹の手料理で夕飯となった。
田舎の夜は暗い。

翌朝、駅まで妹親子を送り出した後、弟が「実家も久しぶりだから少し観光でもしようか」とあちこちに車を回してくれた。まず向かったは町の高台にある公園だった。
するといきなりエゾジカの雄雌と出会ってびっくりする。実はエゾジカはかなりな数がいるらしく、この後も8頭ほどの群れを見た。弟に聞くと住宅地にも平気で下りてきてゴミ箱を漁っていたりするのだという。あまりに多いときは警察も出動するそうだ。

遠くには自衛隊のレーダー基地。

町の観光名所「氷雪の門」。

高台から見下ろす町の全景。

紅葉が綺麗だった。

港に向かい、アーチ式の防波堤を眺める。

海は荒れていた。

そのままノシャップ岬へ。

灯台

弟はそのまま車で仕事場に向かい、まだ時間も早いので自分は町をぶらぶらすることにした。すると、「日本最北端のマクドナルド」なるものを見つける。


サハリンとの時差を伝える時計。

港沿いに何かを詰めた大量の網袋の山を見つける。

近づいてみると、中に詰められていたのは帆立貝の殻だった。この一画全てが何10トンもの帆立貝の殻、ということなのだ。

駅。

人通りのまるで無い駅前商店街のアーケードはキリル文字。実はオレの町はロシア領が近いため、入港したロシア船の船員のほか、居住しているロシア人も結構いるのだ。

東京とあまり変わらない映画館もあった。しかしシネコンだけれども、席はすべて自由席のようだ。

こんな映画が公開予定だった。

面会可能時間になったので病院まで行く。母はまだ眠っていた。

(続く)