最近ダラ観したDVDなど〜『ディアトロフ・インシデント』『NO ONE LIVES/ノー・ワン・リヴズ』

■ディアトロフ・インシデント (監督:レニー・ハーリン 2013年アメリカ/イギリス/ロシア映画)


1959年に旧ソ連ウラル山脈北部、通称「死の山」を雪山登山していた9人の男女全員が、不可解な死を遂げたという「ディアトロフ峠事件」。そしてこの事件の調査に乗り出した5人のアメリカ人クルーたちがまたしても異様な死を迎えてしまいます。映画はこの場所で何が起きていたのか?を「死んだクルーたちが残したフィルムを編集した」ファウンドフッテージ形式で描くんですね。監督は『クリフハンガー』『ダイ・ハード2』の監督ながら最近はあんまりパッとしないレニー・ハーリンさんであります。
「ディアトロフ峠事件」というのは実際にあった事件で、Wikipediaでもその経緯を読むことが出来ます。そこでは「一行はマイナス30度の極寒の中、テントを内側から引き裂いて裸足で外に飛び出したとされた。遺体には争った形跡はなかったが、2体に頭蓋骨骨折が見られ、別の2体は肋骨を損傷、1体は舌を失っていた[2]。 さらに何人かの犠牲者の衣服から、高い線量の放射能が検出された」となっていますが、映画はこれを「雪男の仕業か!?それとも宇宙人か!?はたまたソ連の陰謀だったのか!?」と雑誌「ムー」的な大風呂敷を広げて辻褄を合わせ、さらに「フィラデルフィア・エクスペリメント」の話まで持ち出して、有り得ない方向へと盛り上げてゆくんですね。おかげで、ファウンドフッテージという形式ということも合わせ、限りなく胡散臭い話に仕上がっていますが!
しかしこの作品、ファウンドフッテージ形式ながら映像が綺麗に撮られているんですよ。カメラのブレとか画像の乱れも多用してないし、意識しないとこういった方式であることを忘れちゃいそうになるぐらいですね。その辺は一応ベテラン監督のレニー・ハーリンの「ファウンドフッテージだからといってチープにしない」というこだわりのような気がしますし、これはこれで悪くないんですね。だからといって胡散臭いことは変わり無いんですけどね。あと、主演の女優さんが大変残念なルックスをしており、こういった部分で個人的に甚だしく盛り上がりに欠ける結果となったのが非常に悔やまれました。

■NO ONE LIVES/ノー・ワン・リヴズ (監督:北村龍平 2012年アメリカ映画)


殺人すら厭わない強盗集団が目を付けたのは旅行中のカップル。カップルを拉致し、あっさり襲撃に成功したはずの強盗団だったが、奪った車のトランクから大量殺人事件の唯一の行方不明者だった女が出てくる。一方、拉致されていた男は突然豹変し、見張りの男の命をいとも簡単に奪ってしまう。さらに男は、強盗団のアジトを強襲し、強盗たちを一人また一人と巧妙かつ残虐な方法で殺し始めたのだ。そう、実はこの男こそが、全米を震撼させた連続殺人鬼だったのである。強盗たちと殺人鬼との人外の戦いが今始まるのだ…というサバイバル・サスペンス・ホラー。
この間観た『サプライズ』でも思いましたが、もうひ弱な若者やら女性やらが頭のおかしい襲撃者に一方的にぶっ殺されてゆくだけのホラーとかなんだか飽きてしまいましてね、『サプライズ』はその点、襲撃者を迎え撃つサバイバル熟練者の女との戦い、という部分がとても新鮮だったのですが、この『NO ONE LIVES/ノー・ワン・リヴズ』も、悪党集団VS殺人鬼という構図が実に楽しく感じましたね。
しかもこの殺人鬼、車の中に各種殺戮武器を備えており、トラップなどを使ってよりテクニカルに悪党をぶっ殺してゆく様が愉快極まりないものでした。もうほとんど殺人マシーンなんですよ。おまけに化身の術みたいなこともしていましたが、要するにこの殺人鬼、ニンジャだったんですね!この作品、監督・北村龍平のハリウッド進出第2弾ということで製作されたものなんですが、「ニンジャチックな殺人鬼ってイケるんじゃないか」とかちょっと思ったのかもしれませんね。
ただちょっと解り難い描写もあって、この殺人鬼、たまにナイフで自分刺しちゃったりするんですが、これの意味が最初分からなくてねー。「一回死ぬことで自分をリセットしてまたどこかで蘇るSFチックな設定ということなのかしらん?というかこれホラーSF?」とか最初思っちゃったんですよ。後で説明はあったけどよく理解できなかったなーでもやっぱりニンジャだから精神面でどうとかいうことなのかなーあとラストも実はオレよく分かってなかったなーこれは監督のせいではなくてオレの脳が軟化してるからかもしれないなーとかなんとかかんとか思ってしまいました!

NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ [Blu-ray]

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