『TV Bros.TV』のDVDが出た。

TV Bros.TV [DVD]
TVはまるで観ないオレなのだが、TV雑誌TV Bros.は大好きで、毎回楽しみにして読んでいる。このTV Bros.、TVの時間表はあることはあるのだが、それよりも、いわゆる"サブカルチャー"方面*1の記事が満載で、これを読むのが好きなのだ。映画を観るとき、本を買うとき、たいていこの雑誌のレビューを参考にしているぐらいだ。そういった情報面だけではなく、紙面を賑わすコラムがまた楽しい。自分のブログを書くとき、こんな文章が書けたらいいのになあ、と思っていた時期があったぐらいだ。ちなみに好きなコラムは松尾スズキさん、岩井秀人さん、光浦靖子さん、掟ポルシェさん、天久聖一さん…とまあ挙げていけばきりがない。特に映画好きの方にお勧めしたいのは松江哲明さんのDVD未発売VHSの紹介で、読むと必ず「これは観てみたい…」と思わせる映画愛に満ちた素晴らしいコラムだと思う。
そんなTV BrosがDVDになった。正確には、以前WOWOWで企画され全6回放送された番組『TV Bros.TV』のDVD化である。内容はこの6回分の放送内容に特典映像が加えられ、DVD2枚組、全177分収録となっている。

テレビガイド誌でありながら、サブカルチャー誌として不動の地位を築く「TV Bros.」がついにDVDに! 創刊26周年を迎えた「TV Bros.」(東京ニュース通信社)。編集者が面白いと思うことにがっぷり四つで取り組み、“テレビ誌なのにバックナンバーが売れる"という秘密を少し解き明かす。また、豪華連載陣と作り出す企画コーナーが次々と登場し、祭りの夜店のように楽しめる“マガジン形式"テレビ番組として、WOWOWで放送された話題作が、早くもDVDに。もちろん、未放送特典映像や、隠し特典映像付き。

出演者・ナレーションはTV Bros.のお馴染みの面々だ。

■出演
光浦靖子片桐仁(ラーメンズ)、掟ポルシェ、ありえ〜る・ろどん、松尾スズキ清水ミチコ蒼井そら、志摩遼平(ドレスコーズ)、スチャダラパー河井克夫、他ナレーション:清水ミチコBose(スチャダラバー)、仲里依紗箭内道彦光浦靖子、ありえ~る・ろどん、森山直太朗研ナオコ岩井秀人ハマ・オカモト
■ナレーション
#1 清水ミチコ×Bose(スチャダラパー) #2 箭内道彦×仲里依紗 #3 光浦靖子×ありえ~る・ろどん #4 清水ミチコ×森山直太朗 #5 研ナオコ×岩井秀人 #6 清水ミチコ×ハマ・オカモト
イラスト:五月女ケイ子

内容はこんな感じ。

【収録内容予定】
本編 : 全6回放送分を収録。
掟ポルシェによる毎回変だけど気になる“オープニング"キャッチ
片桐仁によるいろんなところに行ってみよう的な連載企画 「おしえて! 何故ならしりたがりだから! 」
・ありえ〜る・ろどんの占いコーナー 光浦靖子を占う
松尾スズキひきいるママさん合唱団のシュールな曲の数々
清水ミチコ一人二役を演じる 「大人の女のエレベーター」
スチャダラパーの面々が声で出演! 往年の名ドラマを想像させられる「ふぞろいの小道具たち」
・志摩遼平(ドレスコーズ)の「島散歩」
蒼井そら の「中国語口座」
TV Bros.TVのアイドル、オオグソクムシの飼育日記

そしてこれらの企画の収録方法が面白い。それぞれが1〜3分程度の短い時間に細切れにされ、内容の中途でも次の企画、また次の企画へと切り替えられてゆく。いわゆるTVのザッピング視聴を真似たものらしいが、細かくて沢山のデータが目まぐるしく目の前を通り過ぎてゆく感じ、そしてなんだか腰の座らない落ち着きのない雰囲気、というのはいかにも"サブカルチャー"な情報誌のTV番組ならではと思わせる。
そしてなによりもよかったのは、「みんな楽しそうにやってるなあ」と感じさせる適度にお気楽でリラックスした様子だ。ヌケがよくて肩ひじ張らないのはもともとそういう雑誌だからなのだけれども、造形物やコマ撮りアニメなど妙なところで力が入っている所もこの雑誌らしいマニアックさだ。
個人的に楽しかったのはオオグソクムシの飼育日記かな。なんと、まず船に乗って海に出て、オオグソクムシの採集から始め、獲れたオオグソクムシを生態環境と同じ低温にできる冷蔵庫で飼い、しまいには氷を張ったお風呂に入れて一緒に入浴までしちゃうのである。アホっぽくもあるが愛がある。全体的に松尾スズキさんや清水ミチコさんによるお笑いの要素もあるのだけれども、そこだけに比重を置いてるわけではなく、それがどんなにくだらなくても、アンテナに引っ掛かったものをユルくユルく追及してゆく。その辺にTV Bros.らしいものを感じた。第2弾とか是非やってほしいなあ。またDVD買うから。

TV Bros.TV [DVD]

TV Bros.TV [DVD]

*1:しかしサブカルチャーってなんだか気恥ずかしい言葉だよな…