40過ぎるといろいろタイヘンだ!?〜映画『40歳からの家族ケーカク』

■40歳からの家族ケーカク (監督:ジャド・アパトー 2012年アメリカ映画)


ジャド・アパトー監督が製作・脚本も手掛けた最新作『40歳からの家族ケーカク』。これ、2007年の作品『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』のスピンオフ作品だそうなんですね。なんでも『無ケーカク〜』に登場した主人公の姉夫婦が今回の主役なんだとか。…う〜ん『無ケーカク〜』観てるんだけど覚えていない…というか筋自体がもうろ覚え…。
さてお話はというと40歳の節目を迎えた夫婦が様々な難題にぶつかってシッチャカメッチャカ、というものなんですね。夫婦の倦怠期に始まり、健康、子供の教育、それぞれの仕事、それぞれの親、そしてお金、まあ結婚生活をしているを人なら誰もがぶつかるような問題を、ジャド・アパトーらしいカラッとしたユーモアと、ちょっぴりドギツイ視点で描いた作品になっています。
まあしかし、そういった身につまされるような内容ではありますが、逆にちょっとありがちで平凡なエピソードに終始しているんですよね。それを飽きさせない様に、あからさま過ぎるような描写を入れたりしてはいるんですが、これが単に下品にしか見えないんですよ。いや、最初っから下品さ全開の下品なコメディなら、それはそれで大いに楽しめるんだけど、日常的な光景が続いた中で唐突に描かれちゃうと、なんだか引くんだよなあ。これってハズシてるってことなんじゃないのかなあ。
また、主人公夫婦が「自分たちの生活や習慣を見直そう」とあれこれやるんですが、言っていることはそれぞれ間違いはないんだけど、なんだか頭でっかちと言いましょうか、お題目だけ並べてるようにしか見えないんですよね。まあそういったことの滑稽さを描こうとしたのかもしれませんが、映画を観てるほうはとしてはなんだかイラッとする夫婦だな、と思えてしまう。ついでに言っちゃうと旦那にも嫁にも共感する部分が無い上にあんまり好きにもなれなかったなあ。一番なんじゃこりゃ?と思ったのが、長年の不義理を詫びてわざわざバースデーパーティーにやってきた嫁方の父を、息子に無心ばかりしている旦那方の父がなじるシーン。そもそも非難する立場じゃないだろうし、お前何様だよ、と思っちゃったな。
そんなこんなでゴタゴタありながら、ラストはとりあえずいろんな問題が収まったように一見描かれてはいるんですが、しかしよく考えると実はなんにも解決されてなくて、単にうやむやにしただけなんじゃ?って気がしてしまうんですけど。ところでこの映画、主人公夫婦の二人の娘として出てくる子供たち、アパトー姓なんですけど監督の娘さんだったりするのかな?