オランダ発・5人の大バカ大暴走!?〜映画『暴走!ターボ・バスターズ』『暴走!ニトロ・バスターズ』

■オランダにバカがいた!

オランダに、バカがいるという。それも5人組の、いずれ劣らぬ札付きのバカ集団がいるのだという。そしてそのバカ集団の映画があるという。映画の名は『暴走!ターボ・バスターズ』、その続編『暴走!ニトロ・バスターズ』。ターボなバカがニトロで暴走する。素晴らしい。素晴らしいではないか。これこそがオレの待ち望んでいたバカではないか!というわけでバカ好きであり自らも天に恥じることなきバカであるこのオレ様は早速ディーブイディーを借りてみたのであった。そして…そこで展開するバカとバカのしょーもない応酬に、オジサンすっかりメロメロのまいっちんぐ!な状態なのであった!
さてそんな晴れあるバカ5人の名をここで紹介しよう。

◎これがボンクラ集団バスターズだッ!?
寝取られ男リッカート!…兎並みに発情しやすくいつも股間にテント!おまけに人前でもセンズリをこく!
おっとりバカのロビー!…妙に地味であまり印象は無いんだが、地道なバカこそが最も力のあるバカなのである!
お調子者のゲリー!…調子こいてやらなくてもいい事をやってしまい仲間をいつも窮地に陥れる!
ブチキレ男バリー!…凶暴!チーム一の暴れん坊将軍!でもトレーラーハウスに住む母親思いなんだ!
親分肌のリチャード!…滅茶苦茶な仲間をまとめてさらに滅茶苦茶になる!ってかそれまとめてないじゃん!

そしてこのいたいけなバカ5人はこんな連中である。

◎バスターズどもの基本原則ッ!?
・常につるんでいる!
・世界一ナニなセンスのマレットヘア(後ろ髪だけが長いアレ)をしている!
・とことん安そうなトレーニングウェア愛用!
・いつも聴いてる音楽はユーロビート
・全員失業中!
・失業保険も打ち切られました!
・四六時中ビールをラッパ飲み!
・四六時中唾ぺっぺ!
・好きな食い物は揚げ物系!
・酔っ払っているせいだけではなく呂律が回らない!
・とりあえず暴力を振るう!
・とりあえずわめく!
・相手を罵る時の言葉は「ホモ!」一点張り!
・誰の子かわからない妊娠中の彼女がいる!

まあつまりヤンキーですね、わかります。
もうこの5人、見るからに粒揃い、まさに珠玉の大バカ連中である。しかしバカのくせにロビー役の奴とバリー役の奴はこの映画の監督・脚本を担当している、というまことしやかな情報があるのだが、おおかた現職の監督やら脚本家を鼻くそのついたちり紙で脅してやらせたのに違いない。
さてそんなカツアゲまがいのことをして製作された*1バカ映画2本とはこんな映画である。

■暴走!ターボ・バスターズ (監督:ステフェン・ハールス,フリップ・ファン・デル・カイル 2010年オランダ映画)


そこはオランダの小さな町。そこに5人のバカがつるんでいた。バカすぎて失業中の彼らは「オゼゼがねーんなら払わなきゃいいんだっぺ!」という天才的なこと思いつき、強奪、食い逃げの遣りたい放題。もちろん借金取りはぶちのめし、警察ですら撃退だ!そんな5人を「不況と政策失敗の被害者」とか勘違い報道したTV番組のせいでオランダは「俺もやってやる!」と暴動状態!事態を収拾する為なんと政府は5人のいる町に空爆指令(オイオイ)!さらにバスターズ5人を抹殺するため特殊部隊までが送られるのだったッ!?
ひたすらバカなバカどもがバカゆえにやらかす困ったバカ行為が仕舞いに国家をも巻き込む大混乱へと発展してゆくのである。その脅威は戦略核並みの破壊力を秘め、テロリズム並みの恐怖を兼ね備えているのである。つまり核弾頭バカでありバカテロリズムということができるのである。たかだかバカだと侮っていると大変な目に遭う、ということなんである。そんなバカにノセられるTVメディア、そんなバカをも収拾できない国のお偉いさんはもっとバカ、という鋭い政治メッセージもこの作品には込められているのである。込められてんのか?
後半にはバカ映画とは思えない激しい銃撃戦が待ち構え、「バカにもこんなことができるのか!」と驚嘆すること必至、それにしても終始、バカ面下げたバカ5人が、めくるめくような頭の悪い行為と下品な行動を繰り返すさまは、観る者に静かな感動すら与えること間違いないだろう。いや、間違いだ。



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■暴走!ニトロ・バスターズ (監督:ステフェン・ハールス 2011年オランダ映画)


前作から1年。国家を混乱に陥れたバカ集団バスターズが今度は地球の危機に直面だ!?という続編である。バスターズたちは今日も隣町のバカ集団とバカを争って熾烈な抗争に明け暮れていた。バカはバカを呼び、バカに交わればバカになるの例え通り、世にバカの種は尽きまじ、ということである。そんなある日、町の外れに落下した隕石の影響で人々がゾンビ化、町は大パニックに!「あそこには俺の母ちゃんがいるっぺ!」慄然とするバスターズ!しかしそのバスターズに「んだらいっしょに助けにいぐっぺ!」と隣町のバカ集団が助っ人に名乗り出た!バカの家族愛、バカの友情、そしてバカの劣情を描きながら、物語は凄惨なクライマックスへとひた走る!
バカどもがユーロビートで踊り狂い、バカどもがゼロヨンで競い合い、バカどもがバカ女を巡って争う前半はバカの余裕綽々、バカの貫禄、バカの風格さえ漂う素晴らしいバカ振りだ。この映画を愛し続けて(2日ぐらいだけど)本当に良かった、としみじみ思える瞬間である。そして後半は一転、バカ軍団VSゾンビ軍団の血で血を洗う凄まじい展開を迎えるのである。まあ両方とも地球上からいなくなっても全く一切誰も困らないので相打ちになってもらいたいぐらいだが、下手にバカがゾンビになられるのも困るので一応暫定的にバカの応援をするのである。しかしその戦い方までバカすぎて、奈落の底まで脱力しそうなオレがいたのである。一個だけネタバレするけど、バカとゾンビのゼロヨン・レースって…なんでゾンビ車運転してんねん?
…というわけでオランダのバカ軍団映画2作であったが、いやーこの後も続けて欲しいなあ!オレはすっかり気にいったぞ!とりあえず今年のベスト映画はこの2本でキマリだな!(割とマジ)



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*1:実際はオランダの人気TV番組「New Kids」を元に製作された映画なのらしい