New Orderが新譜発表!アウトテイク集とは思えないほどの高水準アルバム!『The Lost Sirens』

Lost Sirens
なんとなんと解散だの再結成だのと訳の分からないことになっていたNew Orderの新譜、『The Lost Sirens』が先ごろリリースされた。おおおおNew OrderNew Order!我が青春のNew Order!…とは言ってもご存じの方も多いかと思うがこの『The Lost Sirens』、2005年に発表された『WAITING FOR THE SIREN'S CALL』におけるレコーディング・セッションのアウトテイク集。だからという訳ではないがNew Orderのお騒がせ男ピーター・フックのクレジットもちゃんとあったりする、いうなればオリジナル・メンバーによるアルバムであることは間違いない。まあ例によってフッキーがガタガタ騒いだおかげでリリースが遅れたというのも事実なんだがね…。
そしてこの『The Lost Sirens』、アウトテイク集なんていうバックグラウンドがありながら、地味さも未完成さも微塵もない、恐ろしく出来の良い作品として仕上がっているのだ。いや、個々の作品の完成度は今まで通りのNew Orderなんだが、並べられた楽曲のバランスがいいのだろう、さらに全8曲という短さも功を奏していて、トータルとして聴くと実に勢いのある親しみやすいアルバムとして聴けるのだ。しかも『WAITING FOR THE SIREN'S CALL』のアウトテイク集にもかかわらず、こちらのほうが出来がいいとさえ思えるぐらいだ。
実の所、New Orderは心底好きなバンドではあるのだけれど、実際よく聴くのはデジタル・ビートの踊る彼らのダンサンブルなシングルで、それに対しアルバムとなるとどれも散漫な印象があり、「これだ」というほど愛着を持って聴き込むようなアルバムは今まで無かったのが正直なところなのだ。なんだかNew Orderってアルバムになるとバラエティ豊かにしたがるんだけど、だいたいシングル曲の陰に簡単に隠れる様な"捨て曲"が多いんだよね。それと、ミックスがアルバムだと力が入りすぎていて妙に音がぶ厚くギラギラしてうるさいんだ。
そぅいったわけでこの『The Lost Sirens』、ひょっとしてこれまでのNew Orderのアルバムで一番リピートしてるんじゃ?と思っちゃうぐらい聴きまくっている。相変わらずの青臭い声、青臭い演奏、青臭いメロディ。でもそもそもNew Orderってそんなバンドだった。そして、アウトテイク集という力の抜け方が逆にストレートでタイトな演奏として耳に響いてくる。余計なものが無い。だから最もシンプルで瑞々しい、New Orderの核ともいえる音として聴けるんじゃないだろうか。
なお、リリースはCD1枚ものとCD+LP(両方収録曲は同じ)の形態のものでなされている。国内盤は3月らしいけど、みんな安い輸入盤で買うよねえ?

収録曲:
1. I'll Stay With You
2. Sugarcane
3. Recoil
4. Californian Grass
5. Hellbent
6. Shake It Up
7. I've Got A Feeling
8. I Told You So



Lost Sirens

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THE LOST SIRENS (LP+CD)

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