『庵野秀明 特撮博物館』に行ってきた


東京都現代美術館で開催されている『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』に行ってきました。この展覧会は"庵野秀明が館長となって博物館を立ち上げた"というコンセプトのもと、円谷英二が始め、そして現在デジタル技術に押されて消えつつある日本の特撮をもう一度見直してみよう、という企画です。会場にはゴジラガメラウルトラマン・シリーズをはじめとする特撮ドラマに使われたスーパーマシンや町並みのミニチュア、小道具、ヒーローのマスク、コンセプト・アートが所狭しと並び、特撮映像文化のまさにタイムカプセルといった展覧会になっています。自分も、幼少の頃に親しんでいたTV特撮シリーズに使われたミニチュアを眺めながらあれこれ懐かしい思いが蘇っていました。日本の映画文化、映像文化の歴史とその一端に触れる、という意味でも貴重な展覧会だといえるでしょう。
この展覧会にはもう一つ目玉があって、それは庵野秀明・企画、樋口真嗣・監督、スタジオジブリ・製作の『巨神兵東京に現る』という特撮短編映画です。あの『風の谷のナウシカ』にも登場した巨神兵が東京に現れ、街を壊滅し火の海へと変えてしまう、という内容の9分に渡る特撮映画なんですね。エヴァンゲリオンの原点はウルトラマン巨神兵である、という庵野ですが、この映画ではナレーションを綾波レイ役の声優・林原めぐみがあてており、実に庵野的な世界が繰り広げられています。巨神兵の担当?は宮崎駿となっていますが、きっと巨神兵の中に入ってミニチュアの街をぶち壊していたのでしょう…というのは冗談ですが、多分巨神兵の原案者ということなんでしょうね。
●特報 巨神兵東京に現る

会場には破壊された東京の街の巨大な特撮ジオラマがしつらえられており、この中を歩くことも出来、さらにここだけ撮影可能になっています。

展覧会は非常に懐かしいオブジェに溢れていたのですが、実を言うと自分はあまり"懐かしい"という感覚を持ち上げないほうで、というのは懐かしい古いものよりも、今ある新しいものを体験したい、という感覚のほうが強いからなんですが、それでも、自分がかつて観て来た特撮の歴史をもう一度振り返ってみる、といった点で、楽しい展覧会でした。
ガシャポンで手に入れた巨神兵フィギュア
 
●館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 3D:立体動画

館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 HP
東京都現代美術館HP