最近聴いたエレクトロニック・ミュージック(その3) / Blondes、LOL Boys、Depth Charge 6、Moritz von Oswald Trio 、Tri Angle Records、Walls

■Blondes / Blondes

BLONDES

BLONDES

インダストリアル・ダブ・テクノ・アーティストBalam Acabのアルバムにも参加したというNYブルックリンのインディー・ダンス・プロデューサーBlondesのデビュー・アルバム2枚組。1枚目がオリジナル、2枚目がRemixというお徳盤。これがニューディスコ風・ハウス・サウンドなんだが、同じくUSインディのItalが創出するネクスト・バレアリック・ハウスと通じる幻惑的かつ催眠術的ディスコ・サウンドが展開している。この辺のUSニュー・ディスコ/ハウス・サウンドは意外と注目かもしれない。 《試聴》

LDR / LOL Boys

LDR

LDR

ネットで知り合った二人が結成し、スウェーデンウェブログDiscobelleで活動する謎のトラック・メイカーLOL Boysのアルバム。ヒップ・ホップ、ベース・ミュージックが基本となるリズムだが、音のいじり方が面白く、かなりのハイセンスさを感じさせる音世界を構築するユニットで、プロデューサーとして数々のRemixを依頼されているところをなどを見ても、その才能が窺われる。実はLOL Boysサウンドの本当の面白さはこのアルバムだけでは伝わり難いので、SoundCloudのLOL Boysのページで彼らの真価を確認してもらいたい。 《試聴》

■Depth Charge 6 / V.A.

Depth Charge 6

Depth Charge 6

デトロイト・テクノの最重要レーベルSubmergeによるコンピレーション・アルバム第6弾、実は2008年にとっくに発売されていたのにす〜〜っかり忘れていた!これまでの「Depth Charge 1〜5」は自分にとって宝物のような珠玉のデトロイト・テクノを集めたアルバムで、この「Depth Charge 6」でも2008年度におけるデトロイト・サウンドの最新形を聴くことができる。これが結構明るいしファンク・テイストの曲も多く、かつてのデトロイト・テクノのイメージからかなり離れた曲展開になっているのだけれども、それなのにこれがまた非常に面白いアルバムで、デトロイト・テクノは曲調なのではなくそのアンダーグラウンドなスピリットなんだと改めて気付かせてくれる。全体を覆う肯定的なイメージとパワフルさは、それがまさにリアル・ワールドでのサバイヴを賭けるデトロイト・テクノの求めてきたものだといえると思う。またどの曲も風通しがいいというか、スカスカした部分があるのがいいよな。最近のヘビロテであります。ちなみに今でもDL販売しかしてないみたいだな。 《試聴》

■Fetch / Moritz von Oswald Trio

フェッチ

フェッチ

ミニマル・ダブ・テクノのパイオニアBasic ChannelMoritz von Oswaldが参加するMoritz von Oswald Trioサード・アルバム。ミニマル・ダブを基調にしながらも現代音楽かとさえ思わせる実験的なアブストラクト・サウンド。むぉわぁあぁ〜〜ん。 《試聴》

■Tri Angle Records 2011 and Beyond / V.A.


音楽配信サイトBleepが編集したTri Angle Recordsレーベルの2011年コンピレーション。Holy OtherやBalam Acabなど、非常にダークかつ神秘的なメロディに満ちたエレクトロサウンドを生み出すアーティストが多く、これ1枚聴くとすっかり異次元に誘われてしまうだろう。 《試聴》

■Coracle Remixes / Walls


ロンドンを拠点に活動するユニットWallsがKompaktからリリースしたRemixアルバム。1曲目のHoly OtherによるMixはさすがに幽玄な調べだが、それ以降の曲はKompaktらしいツヤツヤしたエレクトロサウンドが展開する。 《試聴》