最近ダラ観したBlu-rayとかDVDとか

■タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら (監督:イーライ・クレイグ 2010年カナダ映画)
タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら [DVD]

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都会から遊びにやってきた若者たちに、田舎者で顔が不細工で洋服がダサいという理由だけから13金のジェイソンかテキサス電ノコ大量殺人者並みのサイコパスと勘違いされ、とんでもない目に遭う実直な青年たちの阿鼻叫喚の姿を描いたブラック・コメディであります。都会の若者たちが「あいつを退治しなけりゃ俺たちが殺られる!」とばかりに主人公たちを襲撃したり、怖がって逃走しているうちに、なんかの間違いで勝手にどんどん死んでゆく、それを見ている主人公たちは「何が起こってるの?」とポカーン、そういうシチュエーションが可笑しいお話でありますな。しかも若者たちの一人がおかしくなってどんどん危ないヤツになってゆき、おいおいお前のほうがサイコパス殺人者じゃねえか、という逆転現象が起こったりするなんて言うところも上手い脚本ですな。意外と舞台劇でも行けるんじゃないかと思いますよこの脚本。しかし「顔のキモいカッペはみんなキ印大量殺戮者だ!」というのも随分酷い差別ですが、考えてみりゃあこの映画の元ネタになっているようなスラッシャーホラーっていうのは実はたいていそういう構造をしていて、ある意味そういった皮肉になっているとも考えられますな。

■スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション (監督:ウェス・クレイヴン 2011年アメリカ映画)

1作目はメタな視点が面白い良作だったと思うんですが、なぜかその後の2,3作目は興味が湧かなくて観てないんですよねえ。なんでなんだろうなあ、と思ったんですがやっぱりメタものって一発勝負みたいなもので何度もやるもんじゃない、それを2作3作とやられてもどうせ一緒なんでしょ?と思えて興味が湧かなかったのかもしれませんね。そうして観たこの4作目も案の定メタの上にメタを重ねるメタメタな作りでメタがメタメタになることそれ即ちグダグダ、と、そういう構図のお話になっちゃってるんですよね。まあギャグなら許せるんですがホラーでそれだとやっぱり乗れないんだよなあ。

■スリーデイズ (監督:ポール・ハギス 2010年アメリカ映画)

2008年のフランス映画『すべて彼女のために』をラッセル・クロウ主演でハリウッド・リメイクした作品なんですけどね、オリジナル観てるんで別にリメイク観なくてもいいやあと思ってたんですが、この間まで『4デイズ』と『5デイズ』って映画を観ていたもんですから、デイズ繋がりでこの『スリーデイズ』も観ちゃえ、という勢いだけから鑑賞したんですけどね。オリジナルは「国家も法律も信じねえ!信じるのは妻との愛だけだッ!」という実にフランスらしい映画で、これは個人と国家の相克のあり方がそう感じさせるからなんですが、これがハリウッド版だとそのモチーフが単にベタベタに甘くなるだけじゃないのかな、と最初思ってたんだけど、甘いのは甘いなりに面白く観られましたね。これはラッセル・クロウ演じる主人公が見るからにしょぼくて、このしょぼいおっさんが一念発起して死にもの狂いに戦う、っていう部分がよかったからだったのではないかと。

モンスター上司 (監督:セス・ゴードン 2011年アメリカ映画)

モンスター上司 ブルーレイ&DVD セット【初回限定生産】

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上司にパワハラ(しかもそのうちの一人は女性上司からのセクハラ)を受けている3人の男が「もう我慢できねえ!奴等に復讐だ!」と立ち上がっちゃうというお話なんですが、そのまま描くと陰惨になっちゃうような題材をブラックなコメディに落とし込んだところがよかったですね。コメディですからパワハラ上司も適度にカリカチュアされた御キチガイ様で、まあこんな連中ならぶっ殺されてもしゃあねえわなゲラゲラと思えるところがよかったです。それにしてもエロくてハクい女上司にセクハラされるってそんなに悪くない、むしろ遭遇してみたい体験してみたいと思いますがやっぱり駄目なんでしょうか。

■ブリッツ (監督:エリオット・レスター 2011年イギリス映画)

ブリッツ [Blu-ray]

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ジェイソン・ステイサム主演ってことでとりあえず観たんですけどね、連続警官殺人事件を追う暴れん坊デカ、っていう内容なんですが、イギリス製作のせいなのかちょっと地味だったかなーなんだかTVドラマ見せられているみたいだなーといった展開でしたかね。だいたい犯人は途中でメン割れてるわけで、主人公は暴れん坊デカなんだからその時点で四の五の言わずに叩き殺しておけばよかったじゃないの、とか思いましたがそれだとお話が成り立たないからいろいろ困ってしまうんでしょうねえ。

サンクタム (監督:アリスター・グリアソン 2011年オーストラリア・アメリカ映画)

金持ちが道楽で探検しに行った先で遭難に遭う、という観ていて果てしなくどうでもいいお話でしたな。舞台になるニューギニアの巨大な縦穴は凄かったですけどね、「縦穴スゲエ!」と思えるのも最初の3分ぐらいだし。冒頭で父と子の葛藤見せられて「ああ最後は和睦して”父ちゃんあんたスゲエよ!”ってなるんだろうなあ」と思ってたらその通りの展開なのもじっとりと疲れるし経験者の言うこと聞かない奴が普通に死んじゃうのも「言わんこっちゃない」って感じだし洞窟の中はどこも同じにしか見えないので進んでるのかどうなってるのかさっぱりわからないし、まあ要するになんだかなあ、という映画でありました。

■ナイトメア・シティ (監督:ウンベルト・レンツィ 1980年イタリア・スペイン映画)

ナイトメア・シティ デジタル・リマスター版 [DVD]

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ちょっと古めのイタリア・スペイン合作ゾンビ映画なんですけどね、まあこのゾンビっていうのがもうやりたい放題の破天荒なゾンビで、走り回るのは当然として、銃は撃ちまくるわ車は乗り回すわ、2012年の今この現在でもこのゾンビを超えるゾンビは描かれたことはないのではないかと思わせるほどの元気さなんですよね。そのうちアスレチッククラブに通って筋トレしているゾンビとかスーパーで棚の奥から製造日の新しい納豆を穿り返して買ったりするゾンビが描かれた映画が出てきたら新機軸ということも出来るでしょうが、まあぶっちゃけ、下らねえ映画だなあ、と笑って観てしまうのは確実ですね。あとイタリア・スペイン合作ということなのか、登場するお姉さまがたがやたらエロい、というのもこの映画の特色でしょうか。