岐阜・奈良旅行記 / その3・奈良吉野に青い仏を見に行く篇

■日本最大の秘仏 金剛蔵王大権現

旅行3日目最終日は奈良市内から電車でさらに1時間半、山奥を分け入った場所に建つ金峯山寺を目指します。まず近鉄吉野駅で下りて駅の目の前にあるロープウェイで山を登っていきます。ロープウェイは7分ぐらいですぐ到着。ところでこのロープウェイ、昭和41年製造で40年近く動いているんだとか。
 
ロープウェイを下りてとことこ歩くと国宝・仁王門が見えてきます。右に阿形の像、左に吽形の像が配されています。

 
室町時代に建てられた蔵王堂は、東大寺大仏殿につぐ大きさだという話です。いかつくて古めかしくてなんだか独特の威容のあるお寺でしたね。ここには金峯山寺蔵王堂御本尊である3体の金剛蔵王大権現像があるんです。

3体の金剛蔵王大権現です。「金峯山寺蔵王堂の本尊、蔵王権現立像は秘仏であり、ふだんは巨大な厨子の内に鎮まっている。中尊は7・28メートル、向かって右側が6・15メートル、左側が5・92メートル(JR東海HPより)」なのだそうです。いやあ、でかい。なにしろでかい。そして青い顔、青い肌というのが実に異様だ。いや、仏様に異様だ、なんて罰当たりかもしれませんが、「この世ならざるもの」の圧倒的な存在感を醸し出しているのは間違いありません。薄暗いお堂の中では御香の匂いがたちこめ、沢山の僧たちが経を唱えており、もうそこは既に異界のようです。自分はこの3体の金剛蔵王大権現が立ち上がり、鬱蒼とした山や人々の住む街を、のっしのっしと歩いてゆく姿を想像して気が遠くなりました。なお写真撮影は禁止なのでこれはネットで探した写真です。


あまりにもエキゾチックなのでインド経由なのかな、と思ったら蔵王権現というのは実は日本独自の仏なのだそうですね。

蔵王権現(ざおうごんげん)は、日本仏教における信仰対象の1つ。インドに起源を持たない日本独自の仏で、奈良県吉野町金峯山寺本堂(蔵王堂)の本尊として知られる。権現とは「権(かり)の姿で現れた神仏」の意。蔵王権現は、役小角(えんのおづぬ、7世紀頃の山岳修験行者)が、吉野の金峯山で修業中に示現したという伝承がある。釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊の合体したものとされ、今でも吉野山蔵王堂には互いにほとんど同じ姿をした3体の蔵王権現像が並んで本尊として祀られている。
Wikipedia/蔵王権現

今回の旅行の目的は先日紹介した竹田城跡を見に行くことで、奈良は最初、一日時間が空くから有名な古跡を見ながら適当に時間を潰そう程度にしか考えてなかったんですが、JR東海の電車の中刷り広告でこの金剛蔵王大権現を発見、急遽スケジュールに組み込んだんですね。いやあそれにしても凄いものを拝ませてもらいました。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏
(続く)