絵本美術家、ロベルト・インノチェンティの世界

ネットでとても綺麗な絵柄のイラストを見かけて、調べてみるとそれがイタリアの絵本画家・ロベルト・インノチェンティという方の作品だと知り、彼のグラフィックの使われた絵本を幾つか購入してみました。

ロベルト・インノチェンティ(Roberto Innocenti, 1940年 - )は、イタリアの画家。
フィレンツェ近郊に生まれ、独学で絵を学ぶ。2008年国際アンデルセン賞画家賞受賞。ほかにBIB金のりんご賞(1985年『ローズ・ブランシュ』、1991年『クリスマス・キャロル』に対して)、ボストングローブ・ホーンブック賞(1986年『ローズ・ブランシュ』)、ケイト・グリーナウェイ賞特別推薦作品(1988年『ピノキオの冒険』)、銀の絵筆賞(1989年『ピノキオの冒険』)、ボローニャ・ラガッツィ賞フィクション部門特別賞(2003年『ラストリゾート』)など多数受賞。
Wikipedia-ロベルト・インノチェンティ

■ピノキオの冒険 / カルロ・コルローディ、ロベルト・インノチェンティ

ピノキオの冒険

ピノキオの冒険

お馴染みのピノキオの物語ですが、インノチェンティの手に掛かるとファンタジックさの中にどことなくヨーロッパ調の翳りのある絵に仕上がっていて、ただ綺麗なだけではない奥深さを感じます。緻密に描かれた街並みや室内の描写も実に見せますね。





■百年の家 / J.パトリック・ルイス、ロベルト・インノチェンティ

百年の家 (講談社の翻訳絵本)

百年の家 (講談社の翻訳絵本)

1656年にヨーロッパのどこかの山奥に立てられ、そのまま廃屋となったまま忘れ去られていた家が1900年に再び発見され、修理されて人が住み始める。この『百年の家』は、この家を中心に、その1900年からさらに100年の月日の移り変わりを、そこに住み、そこを訪れる人々の姿を交えながら、全く同じ構図で描き続けた作品です。季節や天候、時代の移り変わり、人々の生活ぶりの変化、それらを描きながら、100年という歳月の流れを1冊の絵本の中に再現しています。


■ラスト・リゾ−ト / J.パトリックルイス、ロベルト・インノチェンティ

ラストリゾート

ラストリゾート

想像力を失った画家があてもなく彷徨った先で見つけたホテル「ラスト・リゾート」で出会った不思議な人々との出来事を綴った絵本。ここで画家が出会う人々とは、実は様々な物語の登場人物だったりするのです。ただ、自分にはちょっと物語がメロウに過ぎるように感じましたね。


くるみ割り人形 / E.T.A.ホフマン、ロベルト・インノチェンティ

くるみわり人形

くるみわり人形

七つの頭を持つ鼠の魔王率いるハツカネズミ軍団とくるみ割り人形との戦い、御伽噺の物語ではありますが、絵にしてみるとファンタジックであると同時にホラーなテイストもあって楽しめました。「くるみ割り人形」ってチャイコフスキーのバレエ組曲のタイトルでしか知らなかったのですが、実はこんなお話だったんですね。