『ジュラシック・パーク アルティメット・トリロジーBlu-ray』観た


ジュラシック・パーク アルティメット・トリロジーBlu-ray』買いました。この『ジュラシック・パーク』シリーズも好きな映画で、VHSからDVDに、さらにこのBlu-rayへとソフト買い替えまくってたりするんですね。オレがDVDなんかで持ってるソフトをBlu-rayに買い換える頻度って、スピルバーグ映画はやっぱり高いですね。『プライベート・ライアン』も『宇宙戦争』も『マイノリティ・リポート』も買い替えクチですが、こうして考えると、やっぱりオレ、スピルバーグって好きな監督なんだなあ。VHSやDVDで持ってる映画も多いし。早く『インディ・ジョーンズ』シリーズBlu-rayにならないかなあ。ところでこのソフト、Blu-ray3枚組にデジタル・コピー3枚が付いているんですけど、デジタル・コピーなんか使う人って購入者の何割なんですかねえ。少なくともオレには全然必要なくて、買った段階で既にゴミと化しています、欲しい人いたらあげてもいいぐらいだわ。
というわけで今回もざっくり感想なんぞを書いてみようかと思います。

ジュラシック・パーク (監督:スティーヴン・スピルバーグ 1993年アメリカ映画)


思いっきり月並みな事言いますけど、やっぱりCGの恐竜にびっくりさせられた映画ですね!この映画でCG映画の可能性が広がったようなもんですからね。実際にCGで描かれた部分は7分間だけだって話なんですが、映画を観に行った時は頭の中がCGCGしてたので、映画の恐竜は全部CGだと思ってましたね。
しかしこの映画、今観ると意外と映像が野暮ったいんですよね。CG技術自体は日進月歩のものでしょうから、これを今観て古臭いなどとは言いませんが、それよりも配役が誰も彼も好きじゃないんですよ。まあこれは映画観に行ったときも感じてたんですが、主役登場人物の皆さんが、みんな役柄と合ってないような気がしたんですよ。皆さん俳優としてはキャリアを積んでる方で、個々には嫌いじゃないんですが、この物語のキャラじゃないだろ、って思ったんですよ。だから映画の間中なんだか全員浮き上がって見えて居心地が悪かったんですよ。あ、悪いんですがローラ・ダーンさんだけはもともと苦手です。『ブルー・ベルベット』の時も「この人は監督にギャグっぽい顔を要求されて配役されたのか?」って思ったぐらいで。特に絶叫するときの∞みたいな形の口の開き方が苦手なんです。
それとセットがチャチイんですよね。実に張りぼて臭いの。さらにスピ映画ではよくあることなんだけど、映像のコントラストが甘くて、なんだかどこもかしこもポヤッと明るいんです。でもこれらの要素って、実は案外スピの戦略だったかもしれないんですよね。とりあえずハリウッドの"顔"みたいな配役を揃え、観に来た人に何が写っているのかあからさまに分かる、分かりやすい映像を撮って、一般客に受け入れられやすい映画にしよう、といったね。
しかしそうは言いつつ、スピの才能が炸裂するのはティラノが登場してからの冴えまくった演出ですよね!カットもアングルもテンポもスピードも抜群だったわ!もちろんラプトルの恐怖感、そのラプトルとのチェイス・シーンも最高でした!凄いいろんなワザ使ってるんですよね。オレが好きなのは懐中電灯でティラノの瞳孔が収縮するところ、そしてラプトルがガラスを鼻息で曇らすところですね。まさに生きている、と思わせるのはこういう細かいところからなんですよね。
それと最も楽しいのはやっぱり人が食い殺されるシーンでしょう!便所に逃げ込んだ弁護士がティラノに便所壊されてパクッとやられるシーンって、あれ笑うところだろ!スピはね、ヒューマニズムなんぞ標榜したがりますけど、やっぱあいつは殺戮シーン描いてナンボのおっさんだよ!『プライベート・ライアン』でも『シンドラーのリスト』でも一番楽しかったのは殺戮シーンだったもん!
ところで肝心のBlu-ray画質ですが、これがなんかイマイチなんだよね。時々粒子が粗くなって「ありゃ?」と思うこともありますよ。そもそもコントラストの甘い映画だから、Blu-rayのパキパキした映像を期待したら肩透かしを食らわされたなあ。


■ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク (監督:スティーヴン・スピルバーグ 1997年アメリカ映画)


劇場公開時はあの大ヒットした作品の続編というわけで期待しまくって観に行きましたが、観終わってみると出来上がりには微妙なものを感じましたねえ。いや、前半はそれほど悪く無くてね。恐竜ハンターがわさわさ現れて「今度は戦争だ!」とばかりにゴツイ武器振り回して恐竜たちを追い掛け回すなんて素敵じゃないですか。しかしそこに現れるのが古生物学者とかいう主人公の女ですよ。こいつがなんだか動物愛護協会みたいな御託並べて恐竜たちを守ろうとするんですね。守るのはいいんだけど、捕まった恐竜の檻を開けたり恐竜ハンターの銃からこっそり弾抜いたり、そのお陰で最終的に大パニックにいたって人死にも出て、なんかもうグリーンピースも真っ青のエコテロリストですよね!さらに怪我をしたティラノの子供を見つけて「治療しなきゃ可愛そう!」とかぬかして仲間のいるトレーラーに連れ込んでしまい、それのせいで今度は子供を捜しに来た親ティラノにトレーラーは破壊され仲間は食われ自分も死にかけるなんて、もう疫病神もいい所だわこの馬鹿女は!世の中にもいますよねえこういう迷惑な善意振り回して得意がってるやつは!「地獄への道は善意で舗装されている」って、まさにこのことだわ!
あといただけなかったのは映画中盤からティラノがアメリカに搬送されて舞台が変わっちゃうじゃないですか。スピがやりたかったのはまさにこれだったんだろうけど、結果的にはお話の流れが途中で変わってしまったような印象しか残さないんですよね。特にさあ、ティラノの出現で街は大パニックになるけど、意外と人が死ぬシーンがないんですよ!パクッといかれるのはたった1回!おいおい地球の歴史に残る最凶の肉食恐竜なんだからもと盛大に阿鼻叫喚の地獄絵図とかやってくれないのかよ!このティラノのあまりのだらしなさふがいなさ腰砕け振りにもがっかりさせられたんだと思いますね。で、最後は恐竜の親子愛でしょう。そういうのはドラえもんでやるからいいんだよお前はやらなくてスピよう!恐竜作ったあの博士が最後に「恐竜たちはそっとしておいてあげましょう」とか抜かしてるけどそもそも全部お前の責任だろうがよー!天災で大事故起こして世間を恐るべきパニックに陥れたけど「想定外だったし」とか言って責任逃れしているどこかの日本の会社を思い出しちまったよ!
しかし映画として嫌いかと言うとそういうことも無くて、ティラノに襲われ崖から落ちそうになるトレーラーのアクション・シーンとか好きだったなあ。2連結だったか3連結だったかのトレーラーでね、1車両目は崖に引っかかってるんだけどその後ろは崖からぶら下がっている。その垂直になっちゃった車両での脱出劇がいいんだわ。そしてその際に別の仲間がティラノにペロッと食われちゃうんだけど、このシーンって二匹のティラノがポッキーの両端咥える男女みたいにそれぞれ人間の両端にかぶりついてブチッと引きちぎっちゃう。この引きちぎりシーンが最高でね、やっぱスピは殺戮シーンだよね!と改めて思いましたね!


ジュラシック・パークIII (監督:ジョー・ジョンストン 2001年アメリカ映画)


ジュラシック・パーク』3作目はスピが降りて製作にまわり、今度は『スター・ウォーズ』の特殊効果ディレクター、ジョー・ジョンストンが監督してるんですが、ふと考えたらこの人、今をときめく『キャプテン・アメリカ』を最近監督した人じゃないですか!ジョー・ジョンストンはどの映画も手堅くまとめるのが上手い人で、この『III』もまとまりはいいんですが、逆に強烈なウリがなくて、善し悪しは別としてもあれこれてんこ盛りだった1、2作目と比べるとどうも淡白な印象で、劇場で観たときは「なんかあっさりした映画だったなあ」と思ってましたね。
しかもお話が立ち入り禁止区域のはずの恐竜島まで行ってパラセイリングしてたらまんまと恐竜に襲われ行方不明になった危機管理のなってない連中の捜索でしょう。その捜索を願い出た実業家夫婦が実はしがない工務店のおっさんと元奥さんで、その仲間も最初傭兵あがりのように見せかけといて実はその辺のおっさん連中だったというしょぼさがなんだか物悲しい映画ですよね。
しかし別に本当に実業家と傭兵でも全然物語に影響しないというのはいかんでしょう。この映画のウリとなるのはティラノよりも強いとされるスピノサウルスの登場ですね。まあいわゆる敵役のインフレーションですね。4作目がもしできたらスピノサウルスより強いウンポコザウルスとかなんとかが出てくるんでしょうか。いやここは『ジュラシック・パークVSエイリアン』とか『VSプレデター』とかでもいいのかもしれません。とは言っても、このスピノサウルスの登場はなかなか楽しかったですよ。なんだか醜い恐竜でねー。
あとプテラノドンが大暴れしてくれてたのが目新しくてよかったですね。空から襲ってくるのも怖かったですが、トコトコ橋を歩いて渡ってるシーンにはぎょっとさせられましたね。プテラノドンの入っていた巨大な鳥かごのシーンもスケール感があってよかった。スピルバーグの撮った1、2作目と比べちゃうと地味ですが、観てる間はそれなりに楽しめたし、決して悪い映画だということはありません。