あれこれDVD(とかblu-rayとか)観た〜『ガリバー旅行記』『恋とニュースの作り方』『導火線 FLASH POINT』『MAD探偵 7人の容疑者』

ガリバー旅行記 (監督:ロブ・レターマン 2010年アメリカ映画)

むさ苦しく暑苦しく能天気で自己主張ばかり強い困ったデブことジャック・ブラックが現代版のガリバーとなって小人の国に降臨するというお話。現実世界では負け犬だったジャック・ブラックが、小人の王国では周りよりも身体が遙かにデカイという特長を生かして態度までデカくなる、身体が大きい俺は大物なんだ!となにやら勘違いして得意になる、というある意味情け無い話です。まああれだけ身体がデカけりゃ確かに怖いモノ無しですもんねえ。しかも脂肪が厚いから敵の軍艦の砲弾も跳ね飛ばしちゃいますもんねえ。厚い脂肪がこんな所で役に立つとは人生分からないものです。しかし敵の王国はジャック・ブラックよりも大きなトランスフォーマーみたいなロボットを建造し、ジャックと戦わせ、そしてこのデブを見事に叩きのめすのですな。それにしても小人の連中、中世レベルの文化程度なのになんでロボットなんか作れるのでしょう。この変なギャップは逆に観ていて楽しかったです。

■恋とニュースの作り方 (監督:ロジャー・ミッシェル 2010年アメリカ映画)

恋とニュースのつくり方 ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

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TV局をリストラされた女の子(レイチェル・マクアダムス)が別のTV局にプロデューサー再就職、心機一転と頑張ってみるものの任されたのはどうしようもない低視聴率ニュース番組。この番組をなんとか盛り立てようと奮戦する主人公の姿を描くコメディです。ちょっとドジな主人公、最低ラインの環境、しかしそれを努力と苦労を重ねて最後に一発逆転の大成功、主人公はキャリアも積んでついでに恋人も見つけちゃう、というよくあるハリウッドのシナリオ・メソッドに則った作りのサクセス・ストーリーなもんですから、観なくてもほぼお話が分かってしまうような映画ですが、逆にその分安心して観られるのではないかと想います。ただ「女性と仕事」というのであれば「プラダを着た悪魔」のほうが仕事のシビアさ、舞台となる職場の特別さもきちんと描いて断然面白かったですが。大体再就職してすぐプロデューサーに抜擢されついでに番組を成功させちゃうって実はこの女の子はもともと才能があったともいえるわけで、凡人がこれを見て「元気を貰った」とか言ってはいけないような気がします。

■導火線 FLASH POINT (監督:ウィルソン・イップ 2007年香港映画)

導火線 FLASH POINT [DVD]

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イップ・マン 序章/葉問』『孫文の義士団』『14BLADE』で今年日本を席巻してまわっているドニーさんのアクション映画です。しかしオレ、ドニーさん映画『SPL/狼よ静かに死ね』を観たときも思ったけど、実はドニーさんの現代劇刑事ドラマがどうも苦手なんです。ドニーさん、今風の洋服を着るとチャラく見えるんです。映画では言動も行動も「ハズレ刑事(デカ)」してて、これがなんだか二昔前ぐらいの日本の刑事ドラマとか刑事マンガを見せられているみたいで安くてイヤなんです。シナリオもロケーションもお手軽に思えるし配役もみんないまひとつに見えちゃうんです。しかし同じ「ハズレ刑事(デカ)」モノでもハリウッドでも未だに濫造されているそのテの映画だとそれほど気にならないんですけどね。きっとハリウッドモノだと最初からバカ映画だと思って観るからでしょうかね。しかしドニーさんだとどうしても期待してしまうから落胆も大きいのかな。あ、ただしアクションは凄いです。オシッコちびっちゃいます。この映画もラストは凄いことになってます。

■MAD探偵 7人の容疑者 (監督:ジョニー・トー/ワイ・カーファイ 2007年香港映画)

MAD探偵 7人の容疑者 [DVD]

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最初タイトル見た時は「NintendoDSのゲーム?」とか思っちゃいましたが実は映画だったんですね。映画はタイトル通りMADな探偵のお話です。どんな風にMADかというと主人公の探偵は人間の深層心理にある人格を人の形として可視化できたり、被害者と同じ状況に身を置いて、その被害者がどんな目に遭ったかが分かっちゃうんですね。いわゆるサイキック・オカルト探偵なんですね。しかしあれこれ見えちゃうばっかりに行動がおかしくて、それでMADな探偵と言うわけなんですね。お話はと言うと刑事失踪事件の捜査を依頼された主人公が犯人に迫ってゆくというものですが、映画を観ている者からは冒頭から犯人が分かっちゃってるので、それをどう追い詰めてゆくのか、という「刑事コロンボ」スタイルの推理ドラマになるわけですが、なにしろ探偵がサイキックなので推理はしないし、そういった論理ゲームみたいなことはしていません。ただ犯人らしい奴には人格がいっぱいあって、それが何人もの人間の形になってうじゃうじゃ群れていて、「こりゃなんだ?」という見た目の奇怪さ、そして探偵の行動の奇矯さで物語をリードしてゆくんです。そういった風変わりで、しかも説明があんまり無いからこそ生まれる不思議さ、そういった部分が面白い映画ですね。個人的には別れた奥さんの幻影と愛おしそうにデートするシーンがなんだか哀れでぐっときました。