トレホ兄ィも出てる日本未公開B級ロボットSF映画『アイボーグ』

■アイボーグ <未> (監督:リチャード・クラボー 2009年アメリカ映画)

アイボーグ [DVD]

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行き過ぎた監視社会が遂に監視ロボットまで生み出すようになった未来、この監視ロボットを使ってある陰謀が進行していた、っていうお話なんですね。日本ではDVDスルーになったぐらいの地味ーな映画なんですが、この映画を観たのはオレの心の師匠・トレホ兄ィが出ていたからなんですよ。ギター職人だけど実はテロリスト?というチョイ役っちゃあチョイ役なんですが、全体的に華の無さ過ぎる役者ばかりのこの映画で、トレホ兄ィが姿を現すとやっぱり画面がキュッと締まるんですよね!ついでにオレのケツの穴もキュッと締まるってもんです(オイ)!しかし低予算らしくトレホ兄ィ以外の配役やロケーションに全然お金掛かって無さそうなこの映画、物語のある意味主人公でもある監視ロボットのCGは結構しっかり作ってあって、この辺好印象なんですよね。メインの監視ロボットは小さく真ん丸いボディに足が生えているといった形なんですが、それ以外にも猟犬並みの大きさのクモ型ロボット、銃撃戦専用ロボット、そして人型殺戮ロボットなど、あれこれバラエティがあって、結構頑張っているんですよ。クライマックスに明らかになる陰謀の全貌というのも、どこかP・K・ディックの小説を思わせる「真実は全て作りもの」といった展開で、これも悪くないんですよね。惜しむらくはそれでもやっぱり地味であることは拭い切れなくて、これって監視ロボットを操る敵の正体が中盤から分かってきたのに、その黒幕である存在を具体的にきちんと描いていないから、なんだか知らんけど人とロボットが戦ってるだけの映画になっちゃってるんですよね。この手の映画のセオリーとしてはその黒幕と主人公がきちっとタイマン張ってサシで勝負して勝ち負けつけてこそ締まる映画になるんだと思うんですよ。そういった点が描かれないからモヤモヤを残しちゃうのがこの映画の弱いところなんじゃないかな。