私は美人で基地外な人殺しなの!〜映画『セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド』

■セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド<未> (監督: ミゲル・マルティ 2008年スペイン映画)

美人でオシャレな基地外女子大生が気に食わないバカを次々と惨たらしい方法でぶっ殺し、ついでにアハハウフフと恋までしちゃった挙げ句、クライマックスではゾンビの群れと戦っちゃうという明るく陽気なスペイン産ホラーです。ってかこうやってあらすじ書いただけでもひたすら狂ったお話ですねウフフ。主演はクトゥルー・ホラー映画『DAGON』でバケモノ少女を演じ、一部にちょっとしたマニアも存在する(?)マカレナ・ゴメス。ギョロンとした眼が生っぽくてエキセントリックな美人ですが、やはりどこか人外の雰囲気を漂わせており、頭のイっちゃってるシリアルキラー役が実によく似合ってますね。主人公である女子大生バルバラちゃんが人を殺すのはただ単に殺すのが好きだからで、この辺の背景の説明も理由付けもしない、単にキチガイだから、という何も無さが逆に清々しいですね。基地外だったりシリアルキラーだったりすることに社会的病理や遺伝的気質を持ち込んで理由付けするホラーはよくありますが、この映画は「そういうのメンド臭いし美人がただひたすら人ぶっ殺す映画撮りたいだけだし」という製作動機があっけらかんとしていてある意味新鮮なんですね。「私はこんな風にぶっ殺しまくってきたの!」とカメラ目線で回想するシーンがまた馬鹿馬鹿しいんですよね。このバルバラちゃんの恋人になるのが医学部で解剖とかやってる学生なんですが、「俺っていつも人切り刻んでるよ!」という言葉をバルボラちゃんが自分と同じシリアルキラーだ!と勘違いして惚れちゃうっていうのもなんだか可笑しくていいですね。そしてこの医学部男子が開発した装置が何かの間違いでゾンビを大量生産し、バルボラちゃんと医学部男子でそれをやっつけようと立ち上がるんです!かなりな珍作ですがハマる人には結構ハマるホラーだと思いますよ。